2007年10月30日(火)「しんぶん赤旗」

東大阪市長選

健闘、惜敗の長尾候補

得票率43%、6ポイント増

市議選票の1.7倍 論戦で大義握る


 二十八日投開票された大阪府東大阪市長選で、「明るい東大阪をつくる会」の長尾淳三候補は二千票の僅差で惜敗し三選はなりませんでした。しかし、得票を前回比一万八千六百票余増やす大健闘でした。


 長尾氏の得票は、昨年市長選の約五万二千票から今回は七万四百五十四票。得票率は前回36・80%から約6ポイント増の42・62%です。

 この得票は九月の東大阪市議選で日本共産党が獲得した四万七百二十五票の一・七倍です。七月の参院比例代表選挙で東大阪の日本共産党の得票と比べると二・五倍になります。

 一方、自民・公明推薦候補の得票は、両党が市議選で得た票の75%。参院選の78%でした。

 市長選の論戦で大義と道理を握ったのは長尾陣営でした。「何の不祥事も失政もない市長に不信任をするのはおっかしい」と広範な市民から声があがり、「今度は長尾さんを支持する」という声が党派を超えて寄せられました。

保守有力者も

 保守の有力者はいいます。「何も悪いことをしていない市長を任期途中で辞めさせたのは間違いや。周りの自民党支持者も『今回は長尾に入れた』といっていた。最終盤は自民党と公明党の締め付けがきつかった。長尾さんはよくがんばったと思う」

 自民・公明推薦候補の陣営は「市長は何もしない」と不信任を正当化しました。両党の中央幹部や国会議員が連日東大阪に入って各種団体の締め付けを強化。最終盤には近畿各地から創価学会員を大量動員して宣伝隊をくり出し「共産市政ストップ」と街のあちこちで叫んだり、口コミのデマ攻撃をくりひろげました。

 この攻撃にたいして「そんなデタラメいったらあかん」と市民が街頭で反撃する場面が各地で見られました。「明るい会」には「あんな人らに負けたらあかんで。しっかりがんばってや」という激励が多く寄せられました。

公約を着実に

 長尾氏は昨年七月に市長に返り咲いてから、約二億円の同和予算を削減したり、二十四億円の上下水道庁舎建設を市民の意見を聞いて中止するなど公約を着実に実現してきました。選挙でも長尾氏は税金のムダ遣いと同和利権をなくし、くらしを守る市政の前進を訴えました。広範な市民から「同和問題を正せるのは長尾さんだけや」「生活が苦しい。ぜひ国保や介護保険の負担を軽減してほしい」と共感が寄せられました。

 一方、自民・公明推薦の候補は同和問題には口をつぐみ、上下水道庁舎建設は復活を主張。「国保料や介護保険料の引き下げなんてできっこない」とのべるなど、くらしを守る市民の願いに背を向けました。

 「明るい会」に参加する日本共産党の谷藤久東大阪地区委員長は語ります。「市議選、市長選で寄せられた市民要求の実現に全力をあげたい。昨年の市長選も長尾さんが千票差で当選し激しいたたかいでした。今回の結果からも、がんばれば前進できることが示されました。これを力に総選挙勝利のために直ちにとりくみをすすめたい」


「明るい会」声明

 二十八日投開票された大阪府東大阪市長選で健闘、惜敗した長尾淳三前市長を支える「明るい東大阪をつくる会」は同日深夜、声明を出しました。声明は、市長選で長尾氏は七万四百五十四票を獲得したものの、自民・公明が推す候補に二千三百六十六票のきん差で競り負ける結果になったと報告。「長尾前市長に、熱いご支持とご支援を寄せていただいた有権者のみなさん、幅広い市民のみなさんにお礼申し上げます」とのべ、「明るい会」構成員の奮闘、大阪と全国からの支援と激励に「感謝するとともに申し訳ない思いでいっぱいです」と表明しています。 市長選の中で、自民・公明などが強行した不信任にたいし「不信任はあかん」という声が市民の多数であり、市民の良識の力が脈打っていることが明らかになったこと、ムダと同和利権をなくし市民のくらしを応援する「市民主役」の市政を前進させる訴えが多くの市民の共感となったことを強調。

 「寄せられた多くの市民の願いを実現するため、市民のみなさんと力を合わせ市政前進のためにとりくむ決意です」とのべています。


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