2007年10月23日(火)「しんぶん赤旗」

東大阪市長選

長尾さんで「市民が主役」の市政の前進を

市田書記局長の訴え(要旨)


 日本共産党の市田忠義書記局長は二十一日、東大阪市長選で前市長の長尾淳三氏の応援にかけつけ、要旨次のように訴えました。


 全国が注目する東大阪市長選が始まりました。今度の市長選、何が問われているのか、三つあると思います。

不当な不信任に市民の良識で決着を

 第一は、九月三日の市議会で、自民党と公明党が長尾さんをムリヤリやめさせた、あの不信任が正しかったのか、間違いだったのか、その是非が問われています。

 昨年七月、住民税大増税への怒りの中で、長尾淳三さんが、再び東大阪市長に返り咲き、政治を変えたいという全国の人々を大変励ましました。私、驚いたのは、その長尾さんに対し、市長になって二カ月しかたたない就任直後の九月議会で、自民党・公明党が、「市長は責任をとれ」という決議を強行しました。「これから四年間、仕事を始めよう」という時です。何の責任をとれというのでしょう。さらに今年三月、長尾市長が初めて提案した予算案に99・9%賛成しながら、こんどは「市長を辞めろ」という決議を強行して、いちゃもんをつけました。そして九月、自分たちの任期が切れるその月になって、長尾さんを辞めさせた。全国広しといえど、こんな市議会、暴挙は、見たことも聞いたこともありません。

 長尾さんには不祥事や失政があったわけではない。それどころか、一年二カ月、公約実現のために全力でがんばってこられた。「上下水道庁舎の建設計画」を市民の声を聞いて中止し、同和予算を二億円も削減、関連職員も二十三人減らしました。介護保険の所得の低い方への減免など市民のくらしを守る施策にも大きく一歩を踏み出しました。その長尾市長を、自民・公明が「何もしていない」「実現不可能な公約ばかり」などと言いがかりをつけて辞めさせる、そこには一片の大義も道理もないんじゃないでしょうか。(拍手)

 九月に市議会議員選挙が行われました。結果は、与党の私ども共産党が躍進させていただき、不信任に反対の議員・候補が大きな得票を得る一方で、不信任を強行した自民党と公明党が議席も得票も大きく減らしました。マスコミも「不信任に対する有権者の厳しい見方を反映した結果」(九月二十五日「朝日」)と報じました。

 この市長選挙で、何としても長尾淳三さんの勝利をかちとり、あの不信任はおかしい、ムチャクチャやないかと、東大阪の市民の良識を示して、決着をつけようではありませんか。

ムダや同和利権をなくし、くらし守る市政の継続・前進へ

 二つめに問われているのは、ムダや同和利権をなくして、くらしを守る「市民が主役の市政」を継続・前進させるのか、それとも、ムダや同和利権の復活、市民の願いに背を向けた市政にあと戻りするのかということです。

 十八日に青年会議所主催の、立候補予定者の公開討論会がありました。長尾さんは、同和行政が、東大阪市の行政を大きくゆがめてきた、この是正を市政の最重要課題として取り組むとして、すでに今年度予算で、同和関連予算を二億円削減しました。同和向け市営住宅の管理を委託された部落解放同盟系の企業が、実はほとんど仕事をしていなかったことが住民の証言などでも明らかにされました。長尾市長は今年度予算でこの費用を全額削りました。長尾さんは、ひきつづき、同和関連のムダをなくし、不当な圧力に屈せず、公平・公正な行政を取りもどすと公約しています。

 乱脈な同和行政を終わらせる、これは当たり前のことです。しかし、実際に足を踏み出すのは、そう簡単ではありません。世論の後押しと、市長自身の信念と勇気、決断がなければ一歩も前に進みません。公正で勇気ある信念の政治家、長尾さんだからこそできるんじゃないでしょうか。(拍手)

 他の二人の候補はどうでしょう。公開討論会で尋ねられても、この問題には一言も触れることができませんでした。

 ムダをなくす点でも、上下水道庁舎建設計画を復活させないと明確にのべたのは長尾さんだけです。自民・公明推薦の候補は、政策に「上下水道庁舎の建設」をハッキリかかげました。二十四億円のムダ遣いに決着をつけるためにも、長尾さんに必ず市長に戻ってもらおうじゃありませんか。

 また、市民のくらし応援でも、政策と姿勢の違いがハッキリしました。長尾さんは、市長として手がけていた、来年度からの小学校にはいるまでの医療費の補助、東地区への子育て支援センターづくり、コミュニティ―バスの運行などを公約しています。国民健康保険料の負担軽減や、中学校給食、幼稚園と小学校へのクーラーの設置、三十人学級など、一年前の公約も、財源の確保をはかりながら実現のための道を開くという姿勢です。

 一方、自民・公明陣営は、「長尾市長は国保料を上げたから公約違反で不信任した」などと言っています。長尾さんがしたことは、国保料を抑えるために、一般会計からの繰り入れを六億円も増やし六十六億円にしました。伸び率は大阪府下トップです。それでも値下げできなかったのは、国が補助金を削ったからです。自民・公明の候補は、国保料をどうするつもりか。軽減するとは一切言いません。言うのは「滞納解消」、つまり取り立ての強化です。元自民党府議の候補は「国保会計への持ち出しの見直し」、これでは国保料は大幅値上げになってしまいます。

品性、勇気、意欲、どれをとっても長尾さん

 三つ目に問われるのは、誰が市長にふさわしい人物かです。

 市長というのは、市議会議員と違って一人しか選べません。言わば「市政を丸ごと任せる」に値する、それが問われる大事な選択です。人間としての品性、市民と東大阪を思う心、そのための政策とそれを実行する意欲、どれをとっても長尾さんこそ、市長に最もふさわしい人物ではないでしょうか。長尾淳三さんは、市議会議員として市民のくらしを守りぬいたお父さんの一郎さんの志を継いで、二十七歳で市議会議員になって以来、市民が主役の市政のために、全力を尽くしてきました。昨年、市民の皆さんの力で市長に返り咲いてからの一年二カ月、また九月の不信任からの一カ月半、立場を超えて、市民の皆さんの懐に飛び込んで、東大阪の明日をひらくための対話を重ねてこられました。市民の方から「前からエエ顔してたけど、ますますエエ顔にならはった」と言われたと聞きました。長尾さんこそ、まさに東大阪の市長、五十一万市民の代表にふさわしい政治家といえるのではないでしょうか。(拍手)

反共デマ勢力に市政はわたせない

 公明党は、政策や市政のありかたはどうでもいいんです。ある集会で参院議員が「ようするに共産党市政はダメだと言って回ればいいんだ」と言い放ったそうです。そのうえ「長尾市長は一年で市の職員を八十六人増やし、その人件費が七億円」などといっている。しかし事実は、四千六十人から三千九百八十七人に七十三人少なくなっている。まったく逆です。算数の勉強をやり直したらどうか。長尾さんは、病院や消防士など市民サービスに必要な職員の確保の努力をしながら、ムダをなくし効率的な運営に努力してきています。ウソでしか攻撃できない人たちに、絶対に市政をわたすわけにはいきません。(拍手)

 もう一つ、黒田革新府政時代を取り出して、「府立高校授業料を大幅に値上げした、だから共産党はダメ」と言う攻撃もしています。実は、公立高校の授業料は国が「基準」を決めて、自治体を財政的にしばっているんです。黒田さんは、その制約の下でも、八年間、国の「基準」より大幅に安く抑えてきた。九年目の選挙の年に、地方財政の危機が全国的に広がる中で、国「基準」にせざるをえなかった。授業料を上げたのは、黒田さんでも、まして共産党でもない、政府・自民党が張本人だった。太田府政では、国の「基準」の高校授業料は十万八千円なのに、それを三万六千円も上回る十四万四千円に引きあげました。しかもエアコン代として一人五千四百円も取り立てている。大阪以外では聞いたことがないこんなひどいことを、府民に押し付けてきたのは自民・公明です。こういうのを世間では「天につばする」といいます。

 公明党のウソは一事が万事、調べてみるとすぐに化けの皮がはがれるものばかりです。こうした反共デマ宣伝は、選挙の争点をそらし、市民・有権者を選挙から遠ざけるのがねらいです。こんな勢力にかつがれる人に、五十一万市民の大事な東大阪市政を任せるわけには絶対にいかないじゃありませんか。選挙を汚す反共デマ宣伝を打ち破り、長尾さんの勝利で、市民の良識を示そうではありませんか。(拍手)

 長尾市長を先頭に、ムダや同和利権をなくし、市民のくらしを守る、市民主役の市政をさらに前にすすめようじゃありませんか。この一週間、投票箱のふたが閉まるまでがんばってがんばって、勝利を勝ち取りましょう。(大きな拍手)


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