2007年10月19日(金)「しんぶん赤旗」

減らせ妊産婦死亡

国連機関 行動よびかけ

目標達成 現状では困難


 世界保健機関(WHO)など国連四機関はこのほど、共同報告書を発表し、現在の世界の妊産婦死亡率減少は、二〇一五年までに一九九〇年水準の四分の三減少させるとしたミレニアム開発目標(MDG)第五目標達成にははるかに遅いスピードであると指摘、諸国政府の対応を求めました。

 第五目標の期限内達成には、妊産婦死亡率を毎年5・5%減少させる必要があります。しかし、WHO、国連児童基金(ユニセフ)、国連人口基金(UNFPA)、世界銀行が明らかにした統計によると、減少はわずか年率1%に達していません。世界中での妊娠、出産を原因とする女性の死亡は、九〇年の五十七万六千人に比して、〇五年には五十三万六千人でした。その死亡の99%が発展途上国で起きています。

 〇五年の妊産婦死亡率は、発展途上諸国で最も多く十万人の出生に対し四百五十人で、先進工業諸国の九人、独立国家共同体(CIS)の五十一人と際立った対比を見せています。さらに世界的に妊産婦死亡率がわずかながら減少したのは、主として、もともと妊産婦死亡率が比較的に低い国々での減少を反映したもの。当初から高い死亡率の国々では過去十五年間事実上進展はみられませんでした。

 妊産婦の死亡率は、サハラ以南のアフリカ諸国では九〇年から〇五年にかけて年率0・1%の減少。同時期に目標の年率5・5%の減少を見せた地域はなく、東アジアが目標に最も近い年率4・2%でした。

 世界の妊産婦死亡のうち、半数の二十七万人がサハラ以南アフリカ、これに次いで南アジアの十八万八千人で両地域で〇五年の妊産婦死亡の86%を占めます。

 同年の妊産婦死亡の約65%が世界の十一カ国で起きています。最多の国はインドの十一万七千人。

 現在十五歳の少女がその一生で妊娠や出産に関連した疾病で死亡する可能性はアフリカで最大の二十六人に一人。これに対し先進工業国では七千三百人に一人。調査を行った世界の百七十一カ国中ニジェールが最も高い七人に一人でした。

 四機関は、ミレニアム開発目標第五目標の達成のためには、出産に関連した保健サービスを誰もが利用できるようにすることが優先課題だと指摘しています。

 UNFPAのオバイド理事長は、「二十一世紀に出産で女性が死亡することがあってはならない」「いまこそ女性の健康と権利に投資を促進するときだ」と訴えました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp