2007年10月13日(土)「しんぶん赤旗」

世界各地のイスラム法学者

キリスト教指導者に平和共存をよびかけ


 【ロンドン=岡崎衆史】世界のイスラム法学者百三十八人が十一日、ローマ法王、カンタベリー大主教など各地のキリスト教指導者あてに公開書簡を出し、平和と共存を呼びかけました。書簡を受け取ったキリスト教指導者からは歓迎の声もでています。

 「お互いの共通の言葉」と題した二十九ページの書簡は、世界の人口の55%超を占めるイスラム教徒とキリスト教徒が、「平和な関係になければ、世界は平和ではない」と強調。特に、近代兵器の存在と両教徒がかつてなく入り交じって暮らしている現代世界のあり方から、争いの勝利者はないと述べ、双方の紛争を厳しく戒めました。

 両宗教間の紛争を望む勢力に対して、「平和と協調のために真剣な努力をしなければ、永遠の魂が危険にさらされる」と述べ、紛争を望むことは、神の教えに反するとの考えを示しました。

 その上で書簡は、「お互いの違いが憎しみや対立を引き起こさないようにしよう」「お互いを尊重し、相手に対し公平、公正、親切であろう」と述べ、相互尊重による平和的共存を呼びかけました。両宗教が共存できる根拠としては、「神の愛と隣人愛」が両宗教の土台にあることを挙げました。

 公開書簡に対して、英国国教会の宗教上の最高位、ウィリアムズ・カンタベリー大主教は、「尊重、平和、友好の呼びかけはすべての国であらゆるレベルで取り上げられなければならない」と述べ、歓迎しました。

 書簡に署名した百三十八人のイスラム法学者は中東、アジア、アフリカ、欧州、北米などほぼ全世界をカバーし、宗派も多数派のスンニ派だけでなく、シーア派など少数派も含まれます。


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