2007年10月11日(木)「しんぶん赤旗」

株購入便宜・セクハラ・組合費着服…

不祥事続くイスラエル政権


 【カイロ=松本眞志】イスラエル警察は九日、オルメルト首相が財務相だった二〇〇五年当時、国営レウミ銀行の民営化に際し、知人の同銀行株式購入のために便宜をはかった問題で、同首相を尋問すると表明しました。

 この事件は昨年、地元メディアが報道し、今年一月に検察が警察に捜査を指示していました。オルメルト氏は関与を否定し続けています。

 イスラエル紙ハーレツ九日付(電子版)は、便宜を受けたとされるオーストラリア人実業家が入札から完全に手を引いて米企業が落札したことで、事件は幕引きに向かったと報じています。

 しかし、イスラエル警察のローゼンフェルド報道官は「オルメルト氏はエルサレムの自宅購入問題でも尋問されることになる」と発言。マズーズ検事総長は今年九月、オルメルト氏が市場価格よりも低価格でマンションを不正購入したとして調査を命じています。

 イスラエル首脳部のスキャンダルは首相にとどまりません。同首相のもとで三十年間務めた秘書が汚職で解任。カツァブ前大統領は今年に入ってレイプ事件への関与が明るみになって職を辞しました。ラモン前法相はセクハラ事件で辞任し、ヒルシュゾン前財務相は自らが代表を務めた労働組合費数百万ドルを着服した問題で辞任しています。

 オルメルト首相は、〇六年七―八月のレバノン戦争で指導力を問われて支持率が急落し、ハルツ前参謀総長、ペレツ前国防相が責任を問われて辞任しました。これに追い打ちをかけるかのような閣僚らのスキャンダルや、オルメルト氏自身の不正疑惑は国民の同政権への信頼を失墜させ、さらに支持が低迷するものとみられます。


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