2007年10月10日(水)「しんぶん赤旗」

アフガンで豪兵死亡

直接攻撃で初/総選挙は撤退争点


 アフガニスタン南部ウルズガン州で八日、駐留オーストラリア軍の装甲車が護衛作戦で走行中、道路脇に仕掛けられた爆弾が破裂し、兵士一人が死亡、一人が負傷しました。二〇〇二年にアフガン南部で豪特殊部隊員の車が地雷を踏んで一人が死亡した事例はありますが、直接の攻撃で豪駐留軍兵士が死亡したのはこれが初めてです。

 オーストラリアのハワード首相は近く総選挙の実施を発表する予定です。選挙では、イラクとアフガンでの戦争と派兵が主要争点の一つとなるとみられ、同首相は反対世論が強まるのを抑えようと必死です。

 ハワード首相は九日、国民向けに演説し、「アフガニスタンでの作戦は残忍なテロリズムに対抗するために必要なことだ。それは正義の事業であり、(亡くなった)この兵士はその事業へのオーストラリアの貢献の一部であった」と弁明しました。

 ロイター通信によると、オーストラリアは〇一年末、米国の報復戦争開始後早々からアフガニスタンに派兵しており、現在千人近い特殊部隊、工兵部隊を送っています。〇八年半ばまでに千人以上に増派する計画です。イラク国内とその周辺地域にも約千五百人を派兵しています。

 三日発表されたシドニー大学の世論調査ではアフガニスタンへの派兵反対は50%、イラク派兵反対は64%に上っています。

 野党労働党のラッド党首は、総選挙で勝利し政権に就けば、イラクから戦闘部隊を撤退させると公約しています。他方、アフガニスタンについてはハワード首相も労働党も派兵継続の立場です。

 しかしアフガン駐留豪軍と反政府武装勢力タリバンとの戦闘は頻度を増しており、双方の銃撃戦で九月に三人、八月に二人の負傷者を出しています。今回の豪兵死亡でアフガン駐留に対する国民の疑問、反対の声が高まり、ハワード自由党政権だけでなく、労働党の対アフガン政策も問われることになりそうです。(居波保夫)


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