2007年10月7日(日)「しんぶん赤旗」

開業医「我慢の限界」

「疲れている」8割 うつ状態27%

保団連調査


 多くの開業医師・歯科医師は厳しい医療環境の下、心身のストレスでうつ状態になりながらも日常診療に従事しているという調査結果を、全国保険医団体連合会(保団連・住江憲勇会長)が六日、明らかにしました。福岡市で行われている、第二十二回保団連医療研究集会で発表されました。

 「医師および歯科医師の精神状況についての意識調査」の結果です。調査は、全国八千四百三十五人の医師・歯科医師に調査用紙を送付し、三千二百二十五人(38・2%)から返信がありました。内訳は、医師千八百二十一人、歯科医師千四百三人、平均年齢は五十八・四歳。男性78・6%、女性9・1%、不明12・4%でした。

 それによると、約八割の開業医が現在、何らかのストレスを感じており、約四人に一人がうつ状態と回答しました。

 一週間の実労働時間の平均は四十三・七時間。約65%が四十時間を超え、六十時間以上も8・8%でした。

 「現在、身体は疲れていますか?」の質問に、疲れていないと回答した人は16・9%。八割以上が疲れており、「かなり疲れている」「ほとんど限界だ」との回答は合わせて30・1%でした。

 「今ストレスに感じていることは?」(複数回答可)では、経営問題が約五割に達し、一番多い回答でした。従業員問題(36・2%)、診療上の問題(33・6%)と続きました。

 現在の精神状況については、ややうつ状態が25・2%、かなりうつ状態が2・1%でした。平常は71・5%でした。

 調査結果を発表した財津吉和医師は「我慢の限界で、何らかの国家的な施策が早急にされなければ取り返しがつかない事態に陥る。国民にとってもゆゆしき重大事。政府に早急な医療政策の大転換を迫る」と話しました。

 同集会は七日まで。七日午後には、「医療の戦争責任を考える〜731部隊、九大生体解剖事件が遺(のこ)したもの」「笑いによる癒しの医療を求めて」「仕事も家庭もあきらめない。これからの女性の生き方は?」と題したシンポジウムが開かれます。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp