2007年10月5日(金)「しんぶん赤旗」

将棋新人王戦U―26決勝 第1局

村山四段 手筋の歩で先勝


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(写真)第38期将棋新人王戦U−26決勝三番勝負第一局で中村亮介四段(右)を下した村山慈明四段(左)。奥右側は立会人の塚田泰明九段=4日、東京都渋谷区の将棋会館

 第三十八期将棋新人王戦U―26(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負第一局は四日、東京・将棋会館で村山慈明(やすあき)四段(23)と中村亮介四段(22)とのあいだで熱戦が展開され午後四時五十三分、先手の村山四段が八十七手で勝ちました。

 午前十時、立会人の塚田泰明九段、奥原紀晴赤旗編集局長らが見守るなか対局開始。戦型は予想通り、先手村山四段の居飛車、後手中村四段の四間飛車のたたかいとなりました。

 序盤から両者とも、駒組みの駆け引きに時間を投入し、27手までで昼食休憩。この時点で、早くも緊迫した局面を迎えました。攻防の焦点は4筋。塚田九段は「もう前例のない局面です」といいます。

 先手が居飛車穴熊の堅い囲いに組んで長期戦に持ちこめるか、あるいは、後手がそれを阻止して一気に先手陣を攻略する展開になるか。

 午後に入り、後手の中村四段が30手目△8五桂と跳ねて開戦し、飛車角の交換、つづいて銀桂の交換と、激しいたたかいに突入しました。

 42手目△8四角は、控室での評判がよくありませんでした。数手後、村山四段の▲7三歩が控室でも「手筋の歩ですね」(中原誠永世十段・名誉王座)と評判の手でした。その後は形勢を大きく引き離し、自陣の穴熊囲いも崩されることなく寄せ切りました。村山四段は、対中村戦三戦目で初勝利。

 村山四段の話 序盤、穴熊に組みにいったのが危険な手順でしたが、▲7五歩(43手目)から▲5五歩で駒がほぐれて良くなりました。

 中村四段の話 飛車角交換の時点では自信がありましたが▲7五歩が見えていませんでした。あとは全然だめです。


 四段 村山慈明
   △四段 中村亮介

▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△4二銀▲5六歩△3三角▲6八玉△4三銀▲7八玉△4二飛▲5八金右△7二銀▲5七銀△6四歩▲7七角△7四歩▲8八玉△7三桂▲9八香△6二飛▲6六歩△6五歩▲6七金△6六歩▲同銀△4五歩▲7八金△8五桂▲9五角△6五歩▲6二角成△同金▲7七銀△6一玉▲9九玉△7七桂成▲同金寄△5四銀▲8八銀△8四角▲7五歩△同角▲5五歩△同銀▲7三歩△同金▲6七桂△5七角成▲5五桂△同角▲8二銀△5二玉▲7一飛△3九馬▲6八飛△7五馬▲7三銀成△同銀▲5六金△6四銀▲5五金△同銀▲9一飛成△6四馬▲8一竜△8二金▲4三角△同玉▲4一竜△5四玉▲5九香△5六銀打▲5八飛△4四桂▲4三金△3五角▲4四金△同角▲5六飛△同銀▲同香△5五銀▲4三銀△6三玉▲7六桂(投了図)まで87手で村山四段の勝ち

図

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