2007年10月2日(火)「しんぶん赤旗」

エクアドル制憲議会選

与党が過半数獲得へ

新自由主義打破へ一歩


 【メキシコ市=松島良尚】米国に押し付けられた新自由主義を克服して、国民本位の政治体制づくりの一歩となるかどうか注目された南米エクアドルの制憲議会選挙(定数百三十)は、三十日投票され、非公式集計などによれば左派の与党・国民同盟が圧勝する勢いです。新憲法づくりを主導できる過半数議席に達する見通しで、コレア大統領は「疑う余地のない勝利」を宣言しました。


地図

 現地時間三十日午後十一時現在(日本時間一日午後一時)、公式集計はまだ発表されていません。非政府組織「市民参加」による約六分の一の投票所の集計(開票率87%)で、国民同盟は全国区(定数二十四)で十五、地方区(定数百)で五十六議席、合計七十一議席を獲得しました。海外区(定数六)は集計されていません。他の調査機関もほぼ同様の結果を出しています。

 コレア大統領は記者会見で、与党は八十議席に届く可能性があると述べ、国民同盟の草の根の活動、とりわけ青年の奮闘をたたえました。

 また「まじめに国の前進を探求するすべての勢力と対話する用意がある」と表明するとともに、「政府への恐怖をあおって国をマヒさせるのはもう十分だ」とメディアなどを批判。「独裁的あるいは他国のまねをする計画はだれも考えておらず、われわれが唯一めざしているのは全国民のための祖国だ」と強調しました。

 新憲法制定は新自由主義打破と国の再建を掲げるコレア大統領の最大公約です。ロイター通信によると、資源主権の確立、国会(一院制)の二院制化、国会による国家機構幹部の任命の廃止、独立した憲法裁判所の設置、大統領への国会解散権の授与などが新憲法に盛り込まれる見通しです。

 制憲議会選挙の最終結果確定には数週間かかるといわれます。議会は十月末か十一月に発足する予定で、遅くても二百四十日以内に新憲法草案を策定し、国民投票に付します。


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