2007年10月1日(月)「しんぶん赤旗」
品目横断対策見直せ
福岡・柳川 農民ら1000人集会
農協としては全国初
「品目横断対策は、弱者切り捨てだ」―。福岡県柳川市のJA柳川農協と農政連柳川支部の共催による「品目横断的経営安定対策(品目横断対策)の見直しを求める総決起大会」が三十日、同市三橋町のJA柳川三橋支所前広場で開かれ、千人を超える農民、農業関係者が参加しました。
生産者代表は「百姓は死ねというのか。麦を作っても十アール当たり一万六千円しか残らん。機械代などを支払ったら、労賃は一銭も出ない。こんな制度では農業をやる人はいなくなる」と訴えました。
今年度から導入された品目横断対策は、導入当初から農民連(農民運動全国連合会)などが問題点を指摘してきましたが、農協段階で同対策の見直しを求める大会は全国ではじめてです。
主催者あいさつにたった高口與一農政連柳川支部長は「今年の麦は豊作だったのに、新制度により減収になり、若い農業者の耳を刺すような怒りの声が届いている。農業が崩壊すれば地域が崩壊し、国が崩壊する。国民の命をあずかるわれわれが今こそ声を上げよう」と訴えました。
参加者は、同対策の見直しに関する請願を確認、参加した石田宝蔵柳川市長、田中雅美市議会議長に手渡しました。
品目横断対策 小麦や大豆、米などの品目ごとにあった価格保障の助成金を廃止し、これらの作物をつくる一定規模の農家や組織にたいし“品目横断的”に合算して、直接に農家への交付金支払いをする制度です。
支払い方法は、対象の作物について過去三年間の所得実績を計算した額が交付金の七割をしめています。このため、収量や品質が向上しても交付金はそれほど増えない仕組みになっています。
一方、豊作の場合、乾燥・調整などの経費は通常より多くかかります。