2007年9月28日(金)「しんぶん赤旗」

「君が代」強制・嘱託不採用訴訟 結審

「学校追放許されぬ」

原告陳述


 東京都教育委員会の強制に従わず卒業式などで「君が代」斉唱時に不起立だったため処分され、定年後の嘱託採用を拒否されたのは不当として、元都立高校教職員十三人が都に損害賠償を求めている裁判の口頭弁論が二十七日、東京地裁(中西茂裁判長)で開かれ、原告側の意見陳述と最終弁論が行われました。裁判はこの日で結審しました。

 原告らは意見陳述で、天皇と国家に命をささげる「臣民」を育てることが役目だった戦前の教育への反省から、戦後の民主主義教育がスタートしたとし、都教委の強制は戦前を思い浮かばせるものであると強調。個人の内面にかかわる事柄を国家の価値観で一つにまとめることには、「日の丸・君が代」が侵略戦争で果たした役割を「現代において再び機能させる国家的意思が働いている」とのべました。

 原告側弁護団は、都の教育委員が「日の丸・君が代」の強制に反対する教職員を「がん細胞」と呼び、その排除を公言していることを指摘。強制は「思想・良心の中核部分を侵害するもの」であり、三十五年以上も都立高校での教育に尽くしてきた原告らを、「君が代」斉唱時の不起立だけを理由に学校から追放することは許されないと訴えました。

 判決は来年二月七日の予定です。



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