2007年9月12日(水)「しんぶん赤旗」

イラク米軍司令官が証言

撤退見通し語らず

民主議員・反戦組織が批判


 【ワシントン=鎌塚由美】イラク戦争への内外の批判が高まる中、イラク駐留米軍のペトレアス司令官とクロッカー駐イラク大使が十日、米下院軍事、外交両委員会の合同委員会で証言しました。両氏がイラクで進行中の増派作戦の「成果」を強調したのに対し、民主党議員や反戦組織からは「成果は疑問だ」との批判が相次ぎました。

 ペトレアス司令官は証言で、「来年夏までに増派以前の規模に削減できる」と発言。現在の総兵力約十六万八千人を、増派前の規模約十三万人まで削減することは可能だとしましたが、それ以上の撤退の見通しには言及しませんでした。

 両氏の証言に対してラントス外交委員長は、「ブッシュ政権は今日、議会に勝利は手中にあると確信させたいようだが、私は信じない」と表明。アッカーマン議員は「(イラクの政治プロセスが機能するのを)われわれが待っている間に、どれだけ血を流さなくてはならないのか」とただしました。

 公聴会の間、傍聴に詰め掛けた反戦活動家が「真実を語れ」「戦争犯罪者」などと叫び、何度も議事が中断しました。

 民主党系の反戦組織「ムーブ・オン」は、同日付のニューヨーク・タイムズ紙に「ペトレアス司令官か、ベトレイアス(われわれを裏切る)司令官か」と題する一面広告を掲載。同司令官の証言は「ホワイトハウスの帳簿のごまかし」だと述べたことから、公聴会では共和党議員が激怒する姿も見られました。

 クロッカー大使は証言で、議会民主党が問題にしてきたイラクの政治プロセスについて、遅れを認めました。そのうえで米国が「イラクを見捨てたり、われわれの努力を大幅に削減するのであれば、失敗する」と指摘。失敗すれば、「周辺諸国の介入を招く。このシナリオでは間違いなく、イランが勝者となるだろう」と述べ、駐留継続の正当化を図りました。

 ブッシュ大統領は一月、国内で高まるイラクからの撤退要求を無視し、約三万人の増派を決定。九月半ばまでに、増派作戦の進ちょく状況を米議会に報告することが義務付けられています。大統領はペトレアス司令官らの勧告を受け、数日中にテレビ演説で、イラク戦争の今後について説明する予定です。



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