2007年9月11日(火)「しんぶん赤旗」

第五回中央委員会総会

志位委員長の結語


新たな前進、総選挙勝利にむけて、展望をつかんだ会議となった

 二日間の会議、ご苦労さまでした。幹部会を代表して、討論の結語をおこないます。

 討論では、三十七人の同志が発言しましたが、どの発言も幹部会報告を正面から受け止めた、積極的な発言でありました。CS通信での全国の視聴は、今回は、たいへんに視聴者が多く、昨日一日で、一万一千七百五十五人が幹部会報告を視聴しています。これは、党の機関会議の視聴者の数としては、史上最高の数です。ここには、今回の中央委員会総会にたいする全党のみなさんの熱い期待が示されていると思います。九百人以上の同志からは、感想文もよせられました。

 この中央委員会総会は、新しい情勢のもとでの党の新たな前進と総選挙の勝利にむけて、決意がみなぎり、展望をつかんだ会議になりました。それは、党本部によせられた、つぎの感想にも象徴的に示されています。

 「議席を後退させた国政選挙の直後ですが、なんて明るい壮大な展望が語られた会議だったことか。まず、これが一番の感想です」。

 今度の中央委員会総会というのは、難しい条件のもとで参議院選挙をたたかい、その結果を正面から分析し、みんなで知恵を集めて冷静に教訓を導き出し、党の新しい前途と日本の政治の展望を明らかにした、そういう点で、日本共産党の不屈性が発揮された総会となったと思います。全体として、中央委員会総会が大きな成果をおさめたということを、確認できると考えるものであります。

参院選の総括と、新しい情勢のもとでの方針を、一体的に提起

 幹部会報告の提起は、参議院選挙の総括と新しい情勢のもとでの方針を、一体的に提起しているところに特徴があります。私は、まずこの点を、結語にあたって、あらためて強調しておきたいと思います。

 私たちが、参議院選挙の総括をすすめるさいに、その基本精神としたのは、「つぎの総選挙でいかにして勝つか」ということでした。勝つためには何が必要なのか、何が欠けていたのか、これを総括で掘り下げようではないか。この精神で総会にむけた幹部会報告をつくりあげました。そして、幹部会報告が方針として提起したどの問題も、そうした生きた総括をふまえて、打ち出したものになっています。幹部会報告は、全体が一つの有機的に一体のものとして、組み立てられているということを、つかんでいただきたい。このことを強調したいのであります。

 たとえば、幹部会報告では「二重の構え」――直面する熱い問題で積極的役割をはたすことと、綱領と日本改革の方針を広く語ること――ということを強調しました。その立場に立って、参議院選挙の政治論戦を自己分析してみると、中央のイニシアチブに弱点があったということも率直にのべました。これは、つぎの総選挙でどうやって勝つかということを考えた場合、参院選のたたかいにも、この角度からメスを入れて自己分析をくわえることが必要だと考えたからであります。つぎの総選挙は、自公政治に代わる政治のあり方が正面から問題となる、新しい様相の選挙戦になるでしょう。その選挙での政治論戦ということを考えた場合に、「二重の構え」を貫くことは決定的に重要になってきます。幹部会報告で提案した「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」の提起も、参院選の総括をふまえ、つぎの総選挙の前進を展望して打ち出した方針にほかなりません。

 幹部会報告では、参議院選挙における選挙活動全体の総括を、二つの角度から自己分析しました。すなわち、一つは、「もてる力を発揮しきれたかどうか」、もう一つは、「実力がどうだったか」、この二つの角度から自己分析をおこないました。これは、いかに政治論戦が正確であっても、これらの弱点の克服抜きには、党の前進は絶対につくれないからであります。そして、幹部会報告では、この二つの問題での参議院選挙の総括をふまえて、第三章の総選挙の方針、第四章の党建設の方針を提起しています。このことも、全体の流れのなかでつかんでいただきたいと思います。

 五中総決定を討議、具体化するさいに、ぜひ参院選総括を深める討論をそれぞれの党組織でやっていただきたい。そして、提起した方針を総括と一体につかむ努力をはらっていただきたい。このことを、最初にのべておきたいと思います。

「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」をどうすすめるか

 つぎに「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」についてですが、全国からたくさんの歓迎の声がよせられました。「待ってました」、「さっそくとりくもう」という声がたくさんよせられているのは、本当にうれしいことです。みなさんの討論でも、その重要性がこもごも語られました。これらは、この方針が、いまの情勢が求めているものであり、国民が求めているものだということを実感させる反響であります。

 これをどうすすめるか。こういう課題に「大運動」としてとりくむのは、初めての経験ですから、中央と全国が一体になって、成功のためのいろいろな探求をはかりたいと思いますが、とくに二つの点をのべておきたいと思います。

 第一に、何を語るかという点では、第二十四回党大会決定が、大きな指針になるということであります。これをぜひ読み直していただきたいと思います。第二十四回党大会決定というのは、第二十三回党大会で新しい綱領を採択した後の初めての大会として、新しい綱領を指針とし、新しい綱領にそくして日本と世界の情勢をとらえ、日本共産党の直面する任務を明らかにすることを眼目にして、全体が練り上げられています。

 自民党政治の「三つの異常」を打開する日本改革の方針――歴史問題、外交問題、経済問題についての現状告発と打開の方途も、綱領にそくして明らかにされています。綱領の中心的な命題が、大会決定には随所に引用されていることにも、ぜひ注目して読み返してみていただきたいのです。

 世界論についても、綱領をふまえた解明をおこなっています。たとえば、綱領が明らかにした帝国主義論の発展という問題があります。それにそくして今日のアメリカの動向をどう見るか。これを複眼で見ていくという新しい問題も解明しています。

 そういう点もふくめて、今日の情勢のもとで、大会決定は、たいへん新鮮な生命力を持っています。ぜひそれも一つの指針にして、「大運動」のとりくみをただちに開始しようではありませんか。

 第二に強調したいのは、「大運動」を軸にしながら、党活動を立体的に前進させるということであります。この「大運動」を、党内での綱領の学習運動をさらに前進させることと一体に前進させたい。また、「大運動」をつうじて、党員と読者を大いに増やす――党勢拡大を前進の軌道にのせたい。さらに、「大運動」と一体に、後援会員を増やし、きたるべき総選挙での勝利をめざして、対話と支持拡大にただちにとりくみ、党支持者を広げるとりくみを、自覚的に追求していきたい。そして、「大運動」を成功させて、「支部が主役」の党づくり、「支部が主役」の選挙活動に日常不断にとりくむ――選挙活動の日常化の一大転機をつくっていきたい。こうして「大運動」を軸にしながら、党活動を立体的にダイナミックに前進させるというとりくみに挑戦したいと思います。

 不破同志は、つぎの総選挙が、自民党政治が壊れ、新しい政治の方向が争われる、これまでとは違った様相と性格を持つ政治戦になるであろうこと、そうした政治戦にむけた政治闘争の舞台で、党の政策提起を発展させることの必要性について、発言しました。「二重の構え」といった場合に、その二つの内容――直面する熱い問題で積極的役割をはたすことと、綱領と日本改革の方針を広く語ること、これをバラバラではなくてどう統一して提起し、政権交代が現実の問題として問われることになるであろう政治戦で、日本共産党の存在意義をどうやって浮き立たせていくか。これは、政策分野でも、国会論戦でも、大いに探求していくべき課題であることを確認しておきたいと思います。

全国的な得票目標を設定し、一貫して達成のためにとりくむという方針について

 つぎに幹部会報告が提起した総選挙の新しい方針について、のべておきたいと思います。「新しい」といった場合に、そこには二つの要があります。

 第一に、幹部会報告では、「六百五十万票以上」を、きたるべき総選挙でも全国的な得票目標としてたたかうこと、衆院選、参院選ともに比例代表選挙が軸になりますが、当面は「六百五十万票以上」を共通の全国的目標としてかかげ、達成をめざすことを提起しました。国政選挙で共通の全国的な得票目標を設定してたたかうという提起は、新しい問題提起です。

 かつては、有権者比得票目標を決め、その実現のために、うまずたゆまず奮闘するという方針をもって努力したことがありました。これは、一九八六年の第十七回党大会二中総で決めた方針でした。当時は、衆議院と参議院でまったく選挙制度が異なる状況だったわけです。そういうもとで、有権者比で一割ないし二割以上という得票目標を設定し、その目標の達成をつねにめざし、挑戦するということによって、選挙闘争に一貫性と系統性をもたせようという方針を決め、とりくんだことがありました。

 その後、得票目標は、つぎの選挙で必ず達成すべき目標と変更し、それぞれの選挙ごとに決めてとりくむという方針としました。しかし、選挙というのは、連続していろいろな選挙がとりくまれます。衆議院選挙あり、参議院選挙あり、地方選挙あり、さまざまな選挙がとりくまれるわけですが、連続してとりくまれる選挙を、ばらばらなものにしないことが大切ではないか。一つの選挙をある目標をたててたたかって、それが終わったら、また白紙からつぎの目標をたてる、こういうやり方をするのは、一貫した選挙闘争という見地からみて検討を要するのではないか。

 今日の状況を考えますと、一九八六年の当時と違って、衆議院でも参議院でも比例代表という共通の制度があるわけです。ですから、そのもとで、直面する選挙で達成すべき目標として共通の全国的な目標を設定し、一貫してその達成をめざす。これが合理的ではないか。全国的な得票目標を設定して、それをやりきったらつぎの峰を設定してそれに挑戦する。そういう闘争の方式に新たにとりくもうではないかというのが、今度の提起の趣旨です。地方選挙においても、この目標を達成することを念頭に置いて、一貫したとりくみをすすめたいと思います。一貫して、一つの目標の達成を追求するという点では、かつての有権者比得票目標という方針の今日的発展としても、今度の方針をつかんでいただきたいと思います。

比例選挙に力を集中する新しい方針に――よく議論をつくして決定を

 第二に、比例代表選挙の前進のために、力をより効果的に集中する新しい方針についてです。この方針については、討論をつうじても、全国からの感想でも、全体として大きな歓迎の声がよせられました。

 同時に、参院選の結果を受け、つぎの総選挙は何としても勝ちたいという思いで、すべての小選挙区で候補者を擁立してがんばろうと決意してきた同志たちのなかに戸惑いがあるという声も出されました。それから、この方針に賛成だが、この方針で比例の得票がはたして伸ばせるかどうか不安だという感想も一部からよせられています。私は、これは当然の戸惑いであり、また当然おこる不安だと思います。

 まず、私が強調したいのは、幹部会の提起にもとづいて具体化をはかるさい、よく議論をつくそうということです。幹部会報告では、小選挙区の候補者の擁立をはかるさいに、二つの基準をのべましたが、そのさいこれを「およその目安にして」ということを言いました。具体化には幅があるわけです。幹部会報告の提案の考え方をよくのみ込んで、よく機関で議論をつくし、支部の意見もよく聞いて、決定してほしいということです。

 そのさい、これまでの困難な条件のもとでも小選挙区に擁立してたたかった積極的な奮闘や努力をしっかり評価することが大切です。評価しつつも、現在の力量をリアルにとらえて、それぞれのところのメリット、デメリットをよく議論して、みんなが納得のいくように議論をつくして決めていただきたい。

 具体化には幅があり、都道府県委員会の裁量の余地もあります。今度こそ総選挙で勝ちたいという思いから、積極的にとりくもうと決意していた同志たちの思いに水をかけるような結果に決してならないように、そういう思いが新しい方針の中で生かされるように、議論をつくして決めていただきたい。このことを強調しておきたいと思います。

いかにして比例代表の得票と議席を伸ばすかが眼目

 そのうえで、二点ほどのべておきたいと思います。

 一つは、この方針の要は、現在の実力をリアルに踏まえつつ、いかにして比例代表選挙でわが党の得票と議席を伸ばすかにあります。その点で、京都の同志から、「これは決して他人事の方針ではない」という発言がありましたけれども、これはたいへん大事な点だと思います。京都の場合は、今度の方針でいけば、小選挙区の全区で候補者を擁立してたたかうことになるわけでしょうけれども、そういう場合でも「決して他人事の方針ではない」ということが大事な点であります。

 今度の方針にもとづいて、小選挙区で立候補する選挙区については、当然、その利点を生かして比例代表での得票と議席を伸ばすために、全党のけん引車として大奮闘する必要があります。立候補するところというのは、比較的党の力量が強いところですから、まさに全党を引っ張るけん引車としての役割が、強く求められます。

 同時に、今度の方針にもとづいて、小選挙区では立候補しないところでは、それこそ新しい開拓をすすめるパイオニアの精神で大奮闘をして、新しい条件のもとで比例代表の得票を伸ばし、議席を伸ばすことに大いに貢献する必要があります。

 立てるところも立てないところも、比例に力を集中して、全体として党の持てる力を最も効果的に、比例の前進のために注いで、必ず前進をかちとる、ここに眼目があるわけです。そういう方針として理解していただきたいと思います。

どうやってこの方針のもとで実際に前進をかちとるか

 いま一つは、どうやってこの方針のもとで実際に前進をかちとるかという問題です。

 発言のなかで、何人かの同志から、「今度の方針を聞いて、『これで楽になった』と受け止められたら、たいへんな失敗になるということを、しっかり自戒してとりくみたい」という発言がありましたが、これはたいへんに大事な点です。この方針は、「楽になった」どころか、よりいっそうの知恵と努力が必要になる方針です。

 どうやってこの方針のもとで比例代表の前進をかちとるか。これは、全党の知恵と力で探求していく大問題ですが、私は、討論のなかで、いくつか大事な方向が示されたと思います。四点ほど重要だと感じた点があります。

 一つ目に、選挙を日常化するという点では、幹部会報告では「後援会活動の強化が一つの大きな要」だとのべましたが、京都の同志が紹介した洛南地区の支部での活動は、選挙を日常化するうえでの後援会活動の重要性を示すものだったと思います。この支部では、二千三百の得票目標を決め、千三百五十人の後援会員をつくり、ニュースを届けるだけではなくて、すべての後援会員と顔見知りになって親しくなろうと訪問活動をおこなっている。こうした活動を日常的におこなうことを土台に、党員と読者も増やし、選挙の活動の日常化がはかられているという報告でありました。これは、選挙活動の日常化をいかにはかるかという問題に、大きな示唆を与えてくれるものでした。

 わが党は、全国で三百万人をこえる後援会員を擁しています。「六百五十万票以上」という得票目標にみあう後援会員へとさらに増やし、日常的に結びつき、人間的にも政治的にも信頼関係を築き、協力してさまざまなとりくみを強める。選挙活動の日常化の一つの大事なカギがここにあるということが浮き彫りになったと思います。

 二つ目は、比例代表選挙に党のあらゆる機関、幹部の力を集中するという問題です。この点では、前回の総選挙で小選挙区での候補者擁立を見送りながら、実際に比例代表の票を伸ばした経験が語られました。これはたいへん教訓的なものでした。大分3区、山梨3区の経験であります。

 これらの選挙区では、大議論したうえで、悔しさをこらえて、擁立を見送った。しかし、このことによって「比例票を減らしてなるものか」、「必ず比例票を増やそう」ということで、機関の力を集中する、あるいは比例代表候補の重点的投入をおこなうなど、さまざまな努力をおこなうことによって、実際に比例代表の票を伸ばしたわけです。前回、小選挙区の候補者を擁立しなかった選挙区は二十五選挙区あるわけですが、そのなかで比例票を伸ばした選挙区が七選挙区あります。少ない経験ですけれども、現実に伸ばした経験として、たいへん貴重であります。それらの教訓は今日の時点でもう一回掘り起こして、全党的に学んで生かすようにしたいと思います。

 三つ目に、埼玉の同志から、「比例代表に全党の力を集中させるうえで、地方議員の活動が、一つの重要なカギをにぎっている。百九十人をこえる地方議員と一緒に苦労しながら、比例選挙での前進の努力をはかりたい」という発言がありました。全国では、三千人を大きくこえる地方議員ががんばっています。地方議員の同志が、自らの選挙と同じように、あるいはそれ以上の構えで、きたるべき総選挙のたたかいにのぞむかどうかは、この方針を成功させるうえで、その成否をわける重要な問題であることを、強調したいのであります。埼玉の同志がのべたように、地方議員の同志と一緒に苦労しながら、この方針を実らせる努力をはかりたいと思います。

 最後に四点目ですが、幹部会報告では、比例代表候補の擁立について、ブロック全体で活動する候補者にくわえて、すべての県から擁立するという方針を提起しましたが、この方針がたいへん実情に即したものとして歓迎されました。

 たとえば、東北ブロックで考えてみますと、全域的に活動する高橋千鶴子さんにくわえて、東北六県から一人ずつ出るわけですから、一プラス六人の比例候補者でたたかうということになり、大いに心強い、歓迎するという発言が出されました。ここで態勢が強化されることは、比例代表選挙で前進をつくる新しい力となるでしょう。

 大分の同志の発言のなかで、前回候補者の擁立を見送った大分3区の選挙区の同志から、「県全体で比例代表の支持を訴えることのできる候補者を擁立してほしい。そうすればもっと票を伸ばせた」という意見が出されたと聞きましたが、期せずしてその要望にこたえる方針になったと思います。比例代表候補をすべての県から擁立するという方針を、大いに前進の力にしていくようにしたいと思います。

国政選挙で勝てる党づくり――すべての方針を実践する前提・土台

 つぎに、国政選挙で勝てる党づくりの問題です。

 討論のなかで、大阪の同志から、「『大きく増やしてみんなで成長する』、これを合言葉にしている、大きくなるほど活動参加がひろがるという方向がはっきり見え出した。この間、紹介した西淀川区や大正区はすでにそうなっているし、此花区、東淀川区でもそうしたとりくみが広がっている」という発言がありました。これはたいへんに大事な発言だと思って聞きました。党員が増えるほど、党員の活動参加がひろがり、支部への結集がいよいよ強まるという方向に、党活動を発展させているということであります。

 大阪の同志の発言では、これらの前進方向は、幹部会報告でのべた党建設の五つの重点方向にそった努力がはかられているということでしたけれども、とくに、そのなかでも「党生活確立の三原則」にもとづく「温かい党づくり」への努力がはかられていることは、大切な教訓だと思います。

 いま、人間が人間として尊重されない、「棄民政策」といわれるような冷酷な弱肉強食の政策がとられ、貧困と格差が広がるなかで、わが党が“強さ”とともに、“温かさ”によって、その魅力によって結ばれた人間集団として前進することが強く求められているということを、あらためて痛感いたしました。

 国政選挙で勝てる強く大きな党をつくる。ここに執念を燃やし、ここで本格的な前進をかちとれなければ、あらゆる活動を前進させる前提、土台がつくれません。幹部会報告で提起した、「二重の構え」に立って党の役割をはたすこと、総選挙での新しい方針、どんな方針を実践するうえでも、その前提・土台となるのは強く大きな党づくりにあるわけで、ここで成功しなかったら、どんなに政治方針で正しいたたかいをやっても、力において相手を押し返して前進するということになりません。何としても幹部会報告が提起した五つの重点方向に即して、党建設での本格的上げ潮への転換をかちとりたい、今月からそれをかちとるという決意を固めあいたいと思います。

五中総決定の徹底――読了を中心にすえつつ、党の現状に即したやり方も

 最後に、採択されるであろう五中総決定の全党員への徹底について、のべておきたいと思います。

 幹部会報告では、中央決定の徹底の立ち遅れという問題を指摘いたしました。中央委員会総会の読了が、三割台前後というところにとどまっている現状を、抜本的に打開する必要がある、そのさい「党の現状に即したやり方」で抜本的に打開するということをのべました。「党の現状に即したやり方」とはどんなやり方かという質問がよせられましたので、具体的にのべておきたいと思います。

 中央決定の徹底にあたっては、やはり文書の読了を進めることを、その基本として引き続き中心にすえていかなければなりません。

 同時に、活動に参加する意欲や意思を持ちながらも、さまざまな条件のために、なかなか文書の読了に至らない同志も少なくないという実情もあります。

 たとえば党費の納入率は、これは引き上げなければならない数字ですが、今年に入って63%です。しかし、その63%と比べても30%前後の読了率というのは、半分以下にすぎません。党費を納めている同志は、当然、党員としての自覚を持っている同志ですが、その半分以下にしか決定が徹底しないという実態があるわけです。決定を読めていない同志の条件というのはさまざまで、読む気になれば読める同志もたくさんいるわけで、さきほどのべたように徹底の基本としては読了を中心にすえることが必要ですが、なかなか読了に至らない同志もいるという現状もあります。それを考慮して、しかるべき責任ある同志が、五中総決定の中心点をよくつかんで報告し、報告にもとづいて議論すれば、中央決定の徹底とみなすというようにしたいと思います。

 中央、都道府県、地区、支部の責任ある立場の同志が、五中総決定の全体をふまえて、適切な時間、たとえば一時間ぐらいで、中心点はここだとしっかりと説明をする。それにもとづいて議論をする。そうすれば中央決定を徹底したとみなすことにしていきたいと思います。

 読了を中心にすえつつ、そうした徹底方法もあわせて、中央決定の徹底の抜本的な飛躍をめざしたい。三割前後では、まともな党のあり方とはいえません。すべての党員への徹底をめざしながら、抜本的な飛躍をはかりたいと思います。中央委員会に対する報告としては、読了と徹底をあわせた数を報告するようにします。

 五中総決定の徹底と実践、そしてただちに開始される「大運動」の成功、きたるべき総選挙での前進と勝利のために、中央役員のみなさんが心一つに奮闘することを最後に訴えて、幹部会を代表しての結語とします。


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