2007年9月4日(火)「しんぶん赤旗」

英軍、バスラ宮殿撤収

イラクから部分撤退の一環


 【ロンドン=岡崎衆史】イラク南部のバスラからの報道によると、イラク駐留英軍約五百人は三日早朝、バスラ市中心にあるバスラ宮殿の基地からほぼ撤収し、残りの駐留部隊五千人が滞在する郊外の英軍基地に入りました。英軍は二〇〇三年のイラク侵攻後すぐ、イラク第二の都市バスラを占領。今回の撤収で、英軍はすべて市中心部から郊外に引き揚げたことになります。

 撤収は、英軍のイラクからの段階的撤退に向けた措置の一環で、近く、五千五百人の駐留軍のうち、五百人が本国に撤退する予定です。

 イラク戦争をめぐり開始前から米国と歩みをともにしてきた英国政府は、イラクでの英軍犠牲者が増え、駐留を批判する国内世論が沸騰する中、撤退に向けた動きを模索。ブレア前首相は今年二月、当時七千百人の部隊を五千五百人にし、さらに五千人に減らす部分撤退方針を示しました。英軍の撤退の動きに対し、米国内からは批判の声も出、これに英国の閣僚が米紙上で反論するなど、9・11米同時テロ後強固な結束ぶりをアピールしてきた米英同盟の亀裂も拡大しています。

 今回の撤収で、バスラ宮殿の治安はイラク治安部隊に移譲されます。ただ、英軍が管轄するバスラ全体の治安については、年内の完全移譲を目指しながら、当面英軍が維持します。



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