2007年8月31日(金)「しんぶん赤旗」

米の所得格差拡大

富の半分が最上位2割に集中

最下位層への分配 最低の3.4%


 【ワシントン=山崎伸治】米商務省国勢調査局は二十八日、米国民の二〇〇六年の所得と貧困、医療保険に関する統計を公表しました。このうち所得については、中間値がわずかながら上昇し、貧困層が減少したものの、この数年の所得の増減をみると、格差がいっそう広がっていることがわかりました。

 所得の中間値は〇五年の四万七千八百四十五ドル(約五百五十万円)から四万八千二百一ドル(約五百五十四万円)に0・7%上昇。貧困世帯の割合も12・6%から12・3%へとわずかながら減少し、実数で三千六百九十五万人となりました。

 ところが米国の民間研究機関「経済政策研究所」の分析によると、二〇〇〇年から二〇〇六年までの所得の推移では、最上位五分の一に属する世帯が所得を1・0%増加させたのに対し、中位五分の一の世帯は2・5%減少、最下位五分の一は4・5%も減らしており、格差がますます広がっていることがわかります。

 所得の分配でも〇六年は、最上位五分の一世帯が全体の所得の50・5%を占め、一九六七年以来最大。その一方で最下位五分の一の世帯の所得の占める割合は全体の3・4%にとどまり、史上最低を記録しています。

 二十九日付の米紙ニューヨーク・タイムズはこのことについて、社説で「貧弱な所得増」と論じています。世帯当たりの所得が上昇したのは、働き手が増えたためで、一人当たりの所得では「だれも給与は増えていない」と指摘。「過去五年間の米国の経済成長はほとんど富裕層および超富裕層にだけ流れ、そのほかの人にはほとんど何も残っていない」と格差の広がりに警鐘を鳴らしています。


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