2007年8月30日(木)「しんぶん赤旗」

駐留軍幹部を汚職で捜査

イラク米軍武器不明問題

米紙報道


 【ワシントン=鎌塚由美】米捜査当局は、米軍がイラクの治安部隊に供与した武器が行方不明になっている問題で、汚職事件としてイラク駐留米軍の幹部らを捜査していることが二十八日、明らかになりました。ニューヨーク・タイムズ紙が報じたもので、米軍の物資供与などで汚職事件が絶えないことも紹介しています。

 同紙は、捜査当局から取り調べを受けている関係者のなかに、ペトレアス・イラク駐留米軍司令官の下で兵たん業務を担当していたセルフ陸軍中佐が含まれていると報じました。同中佐は、イラク治安部隊向けの自動小銃、装甲車、爆弾、軍服などの調達にかかわっていたといいます。

 同紙によると、この中佐が具体的に何の容疑で取り調べを受けているかは不明です。また、ペトレアス司令官が汚職に関与していた証拠も出ていないと伝えました。

 これまで駐留米軍の武器がイラクの武装勢力に渡っているのではないかと指摘されていましたが、陸軍、司法省、連邦捜査局(FBI)が行った捜査では、これまでのところ、武器が反米武装勢力に渡ったと結論付けられていないとしています。

 一方、陸軍が同紙に明らかにした数字では、八月二十三日現在で、イラク、クウェート、アフガニスタンでの資材供与に関する契約に関し、七十三件にのぼる刑事捜査が進行中だといいます。総額五十億ドル(約五千七百億円)以上の契約詐欺や総額千五百万ドル(約十七億円)以上の収賄事件で、すでに二十人の米軍人と民間人が起訴されているといいます。



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