2007年8月27日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

学校統廃合を白紙に
平和への思いを発信

行動する高校生

教研集会分科会 発言に共感広がる


 広島県内で開かれた「教育研究全国集会2007」では、高校生を主役にした特設分科会「みんなで語ろう みんなでつくろう がっこう・へいわ・みらい」が設けられました。高校生が司会を務め、自主的な活動を生き生きと交流。歌あり、踊りあり、フィールドワークありと、内容は盛りだくさん。なかでも長野と広島のリポートには、参加した高校生から「すごい」と共感の声が広がりました。(栗原千鶴)

県知事に直接意見いう 長野

みんなで一生懸命にやれば、高校生だけでできることがある

 「高校生が、県知事に直接意見を言うなんて、びっくりした」―。参加者に驚きを与えた報告は、長野県の高校生が県立高校の統廃合計画に立ち向かったリポートです。

 報告したのは、高校3年女子。「高校生が動いたことは無駄にならないと伝えたい」とマイクを握りました。統廃合の対象かどうかにかかわらず、県内の高校生が、さまざまな活動を繰り広げた様子を語りました。

 発端は2005年6月、県教育委員会が突然、県立89校のうち、全日制14校、定時・通信制10校の「再編整備」をはかる「高校改革」を発表したことです。

 高校生は翌日、さっそく行動にでました。統廃合の対象ではない伊那北高で、文化祭の討論会に参加した、当時の田中康夫県知事に、「高校生の声を聞く場を設けてほしい」と要望しました。すると田中知事は「そういう場はつくってもらうものではなく、自分たちでつくっていくべきだ」。

 そこから高校生の粘り強い活動が始まりました。4カ月後には第1回全県高校生集会を開催。田中知事は不参加でしたが、160人の高校生と教師や地域の人々、そして県教委とが、熱い議論を交わしました。

 高校生は当時1年生。生徒会の役員で、「もっと自分にできることはないか」と思っていたとき、集会のことを知りました。第2回高校生集会には準備する段階から参加。県議会との意見交換や、県内の各学校へ参加を呼びかけました。

 「一部の人の活動になってしまった時期もあり悩んだこともありました。でも、対象校の生徒は最後まであきらめず、地域の主婦の人が一緒になって怒ってくれ、励まされました」

 第2回高校生集会には対象校を中心に21校から136人が参加。「私たち高校生が歴史をつくる。未来は私たちのもの。私たちが行っているのは反対集会ではない」との思いを共有しました。高校生はこの経験を通して「みんなで一生懸命にやれば、高校生だけでできることがあるし、高校生だからこそ言えることがある」と確信しました。

 その後、県議会で高校生との意見交流会、県知事選の候補者には公開質問状を送付。第3回高校生集会には、村井仁新県知事が参加。今年6月、県教委は統廃合計画をいったん白紙にすると発表しました。

 「つらい時期もあったけど、自分で決めたことだから、ここまで続けてこれたと思います。この活動をしていたから、自分にしかできない高校生活を送ることができました。多くの高校生や地域の人たちの話を聞き、勉強させてもらい、頑張ってきてよかった」

 今後は後輩にバトンを渡します。「『高校生だから無理』などと、できないことを前提にしないでほしい。世界では高校生だってデモをしている。後輩には現状に満足することなく、声をあげていってほしい」


ミュージカルや美術展 広島

平和と憲法はすごくかかわりがある。9条を守っていきたい
活動の一つひとつは小さくても、続ければ影響を与えられる

 被爆地、広島の高校生からは平和に関する運動が報告されました。

 高校2年の男子は、高校生平和ゼミナールが4年前から、地元の弁護士や市民でつくる憲法ミュージカルに参加している活動を紹介しました。「広島に生まれたので平和については考える機会はあったが、憲法については深く考えたことはなかった」。それがミュージカルに参加して、「憲法9条がなくなると、ぼくたちが戦争に行かなきゃいけない」というセリフを聞き、「平和と憲法はすごくかかわりがある」と実感。「9条を守っていきたいと思いました」

 高校2年は、平和ゼミナールなどが広島から平和を発信しようと取り組んでいる美術展について報告しました。「活動の一つひとつは小さいものかもしれないけれど、続けていけば大きな影響を与えることもできると思う。活動をとめずに継続させていきたい」

 山口県の高校生からは、県内にある岩国基地のフィールドワークや、人間魚雷「回天」の訓練基地となった大津島の見学など、身近なところに目をむけて活動している様子が紹介されました。広島の高校生から「平和運動もいろいろあると思ったし、視野が広がった」との感想が出ました。

 フロアから発言した埼玉県の高校生は、実家が広島にあり、小学校のころから平和問題、被爆の話は身近に感じていました。ところが、いまの学校では原爆のことを知らない人もいるし、あまり話もしません。「このままでは被爆のことを知らない人が増えてしまう。もっと知らせていかないといけないと思う」と語ると、会場から拍手が寄せられました。


お悩みHunter

本音いえる友人なくやっていく自信ない

  学校に行っても、おもしろくありません。本音で話し合える友達がいなくて、自分だけ浮いているような気がします。生理的に受け付けない人も多くて、いっしょにやっていく自信がありません。(19歳、女性、東京都)

「自分づくり」を大切にして

  19歳ということは、高校を卒業されていると考えていいのでしょうか。専門学校にしろ、大学にしろ、「19歳の学校」とは何かを考えさせられます。

 小中高生なら「本音で話せる友達がいない」という悩みもわかるのですが、「19歳の学校」であれば、学校に求めるものが、それなりに特化されてきているのではないでしょうか。

 この分野の資格をとりたい、あるいは何か技術を身に付けたいとか、学問に打ち込みたいといった意思があれば、友達の有無など二の次三の次の問題ではないでしょうか。むろん、本音で語れる友達がいるにこしたことはありませんが、まず自分は何がしたいのか、どう自己実現したくてこの学校に通っているのかをもう一度考えてみましょう。そうすれば、いくらでも素敵な友達はできます。

 本当の自分、未来に向かう「自分」がいないところに、どうして本音で語れる友達が現れるでしょうか。これでは、「会社に本音で語れる友達がいなくて、仕事が面白くない」と言っているのと同じです。

 まずは自分のやりたいことに向かって一生懸命努力してみましょう。そうすれば、ひとりでに、自分と波長の合う友達が集まってくるものです。あなたらしい一つの「渦」をつくらないと、大きな流れに身をまかすだけではないでしょうか。もっともっと「自分づくり」を大切にしてはいかがでしょうか。


教育評論家 尾木 直樹さん

 法政大学キャリアデザイン学部教授。中高22年間の教員経験を生かし、調査研究、全国での講演活動等に取り組む。著書多数。


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