2007年8月22日(水)「しんぶん赤旗」

訪韓中の緒方副委員長と笠井衆院議員、金統一外交通商委員長と会談

日本が奪った儀軌返還問題で


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(写真)20日、ソウルの国会内で会談する(左から)笠井、緒方両氏と(1人おいて)金元雄、孫鳳淑、李華泳の各議員(前田和則撮影)

 【ソウル=面川誠】韓国の「朝鮮王室儀軌還収委員会」の招きで訪韓中の日本共産党の緒方靖夫副委員長と笠井亮衆院議員は二十日、韓国国会で統一外交通商委員会の金元雄委員長と会談しました。金委員長は同還収委員会の共同代表です。

 会談は、今年五月に緒方氏が参院外交防衛委員会で、植民地時代に日本が韓国から搬出した朝鮮王室儀軌の返還問題を取り上げ、その後も韓国側と懇談してきたことに応えたものです。朝鮮王室儀軌は王室の儀礼を絵や文で記録したもので、その一部を現在は宮内庁が保管しています。

 金委員長は、緒方氏が国会で返還問題を取り上げたことや、その後の協力に敬意と感謝を述べるとともに、一九六五年の韓日基本条約や韓日関係の本来のあり方について指摘。ユネスコ世界記録遺産にも登録された儀軌の返還をあらためて求めました。

 同席した孫鳳淑議員は、昨年十二月に韓国国会が採択した儀軌返還要求決議の起草者、李華泳議員は韓日議員連盟幹事です。両議員は儀軌返還の意義とそれが両国友好に果たす重要性について述べました。

 緒方氏は、訪韓前に宮内庁で儀軌の現物を閲覧したこと、その内容がこの日午前訪れた景福宮で日本によって惨殺された閔妃(びんひ)の葬儀に関するものであったことから、儀軌返還の歴史的意味を痛感したことを紹介。戦後六十二年をへても解決できない歴史問題や、米国での「慰安婦」問題決議などにふれ、戦争と平和についての日本共産党の歴史や立場についても述べました。

 笠井氏は、最近行われた参議院選挙後の歴史認識問題での日本の変化を説明。日本が儀軌を奪った一九二二年に日本共産党が創立されたことを紹介しました。

 緒方、笠井の両氏は同日、朝鮮王室儀軌還収委員会が主催した夕食会に出席しました。これには、年末の大統領選挙をめぐる多忙な日程をぬって金元雄議員(同委共同代表)も出席。また、僧侶の慧門氏(同委幹事)ら、同委の主だったメンバーが出席しました。

 金議員と緒方、笠井両氏は、ベトナム戦争での韓国参戦への謝罪問題や、南北朝鮮関係の展望など、幅広い問題で親しく懇談しました。


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