2007年8月20日(月)「しんぶん赤旗」

大統領与党が圧勝

カザフ下院選 野党、議席失う


 中央アジア・カザフスタンで十八日、下院選挙(定数百七、うち直接選挙分が九十八)が投票され、ナザルバエフ大統領与党のヌル・オタンが得票率88%で圧勝しました。

 中央選挙管理委員会が十九日に暫定結果として発表したところによると、ヌル・オタンだけが7%の足切り条項を超えて議席を獲得。議会には与党しか存在しなくなりました。

 選挙には七政党が参加。同選管によると、議席獲得が可能とみられた穏健野党のアク・ジョルは3・3%、現体制打倒を訴える全民族社会民主党は4・6%でいずれも7%に届きませんでした。

 今回の選挙は、ナザルバエフ大統領が五月に憲法を改定し、繰り上げ選挙を実施したもの。憲法改定で、大統領が任命した首相や閣僚の拒否権を議会に与えるなど議会権限の一部を強化、一方で同大統領に限り多選禁止が適用されなくなりました。

 ナザルバエフ大統領は十八日の投票終了後、「カザフ人は国の平和と安定の路線に賛同した」と事実上の勝利宣言を発表しました。

 ロシアのマスコミは、「大統領共和国から大統領と議会の共和国に」と「民主主義の進展」を評価しています。

 一方、英BBC放送によると、全民族社会民主党は選挙向けのテレビ・コマーシャルの一部をカットされるなど検閲があったと主張しました。

 中央アジアの資源大国として国際的な地位の向上をはかるナザルバエフ大統領は、二〇〇九年の欧州安保協力機構(OSCE)の議長国にも立候補。今回の選挙にも四百人のOSCEからの選挙監視団を認めています。


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