2007年8月18日(土)「しんぶん赤旗」
戦争展の後援拒否
「九条の会」など主催 「国民投票法」口実に
千葉・野田市
千葉県野田市の九条の会や被爆者の会などでつくる実行委員会(日佐戸輝実行委員長)が、十八、十九日に開催する被爆の実相や野田市と戦争のかかわりなどを伝える「平和のための戦争展」の後援を、野田市と教育委員会が拒否していたことが明らかになりました。
同展の後援を要請された野田市と同教育委員会は七月十三日、同実行委あての「回答」で、「憲法九条改正反対」の立場を明確にしている「野田・九条の会」のアピール展示が予定されており、政治的傾向が顕著だと指摘。公務員の地位を利用した運動を禁止する「国民投票法」にてらし、憲法九条改正に賛成、反対いずれか片方の考えにもとづく行事を後援することは地位利用につながるという理由で後援を拒否しました。
実行委は、同月二十四日、市と市教委に申し入れを行いました。このなかで「国民投票法」は施行前であり、「憲法改定案」の発議もされていないのに、それを先取りして後援不承認の理由にしているが、憲法九九条が明記するように、「市と教育委員会には憲法を変えようとする外的要因から憲法を守るための義務があるのではないか」と指摘し、再検討を要請しました。
しかし、市と市教委は今月十四日、申し入れ内容にまともに答えず、七月と同様の回答を出しました。
日佐戸実行委員長の話 私は戦争で右足を失いました。生きている限り、戦争反対を訴えなければと思っています。市は、論議の片棒を担ぐのは公平性に欠けると言いますが、回答文書の中で、九条改正が発議されることは必至などと述べており、このような態度はまったく間違っています。