2007年8月15日(水)「しんぶん赤旗」

戦争体験者の証言に中学生キッパリ

僕たち二度と戦争は起こしません

「平和のための戦争展2007」


 「平和のための戦争展2007」が十四日、東京都渋谷区の全労済会館「スペース・ゼロ」で始まりました(十六日まで)。今年で二十八回目。侵略戦争の被害と加害の証言など多彩な企画が行われます。呼びかけ人には、女優の黒柳徹子さんや映画監督の山田洋次さんらが名を連ねています。


 初日のオープニングイベントでは、中国「残留日本人孤児」の女性が証言しました。「六歳のとき母がおおぜいの人の前でソ連兵三人に暴行されました。その後、食うか食わぬかの生活。中国人には日本人ということでなぐられ、いじめられました」「日本にやっと帰ってきても今度は『中国人』と冷たくされ、政府からも『自立しろ』としつこく迫られた」

 こう話した女性は「日本に帰国してよかったと思いたい。自分のボロボロの傷を癒やしたい。心からみなさんのまえで笑いたいと思っています」と訴えました。

 「体験者の証言」では、広島で被爆した女性が、生後四カ月の孫が白血病と知らされたときに思いを「私はなぜあの八月六日に死ななかったんだろうと生きていることが悲しくなりました」と証言。「幸い、孫は助かりました。私は元気を取り戻し、一人でも多くの人に原爆の恐ろしさを語らなければいけないと思うようになりました」と、語り部となった経緯を語りました。

 「安倍首相は核兵器反対と、なぜいわないのでしょうか」と問いかけた女性。「核兵器は人間を守ることはできません。被爆者の話が必要なくなるまで、私は(この活動を)やめません」と決意をのべました。

 足が悪いのに立ったまま、中国での加害行為を証言した男性。中国・山東省での部落攻撃の実態を告発しました。「古い兵隊と二人で女性を井戸にほうり投げました。そうしたら、その子どもが母親のあとを追い、井戸に身を投げたのです」「古い兵隊はいいました。『かわいそうだから手りゅう弾を投げてやれ』」

 男性は力を込めて訴えました。

 「私がいいたいのは理屈ではありません。体験からいうのです。憲法を変えてはいけません。軍隊はつくってはいけません。戦争をおこしてはいけません」。会場から拍手が起こりました。

 会場内の募金箱の前で「財布ごと入れちゃおうか」と相談していた東京都小平市の男子中学生のグループは、「親を目の前で殺された体験者の話を聞いて、戦争の悲惨さが伝わってきました」「僕たちは二度と戦争は起こしません」と口々に話していました。


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