2007年8月15日(水)「しんぶん赤旗」

廃農 加速

販売農家 10年で75万戸減


 農家の減少が止まりません。農産物を出荷・販売しているいわゆる販売農家は、二〇〇七年二月現在、百八十一万三千戸となり、前年とくらべ六万八千戸減りました。減少率は3・6%になります。ここ十年で七十五万戸減少しています。農水省の農業構造動態調査で分かったもの。安倍内閣がすすめる大規模農家のみを対象にする農政が農家の減少を加速させています。


安倍政権が切り捨て策

グラフ

 農水省は経営耕地面積が三十アール以上か販売額が年五十万円以上を販売農家、それ未満を自給的農家としています。

 販売農家のうち、農業が家計のなかの主な所得で、六十五歳未満の主力となる農業従事者がいる「主業農家」は三十八万七千戸となり、前年より一万八千戸減りました。主業農家は農水省が農業の“担い手”と位置付けています。外国産農産物の輸入増・価格保障廃止のなかで将来展望がもてない状況になっています。

 調査では、品目横断対策による交付金の対象となる都府県の五ヘクタール以上の販売農家は五万四千戸となり1・9%増加したものの、販売農家に占める割合はわずか3・1%です。五ヘクタール以下は軒並み減少しました。

 耕地面積三十アール以上、またはそれ以下でもハウス野菜、畜産などの事業や農作業を委託されている農業経営体は百八十六万七千となり、前年より六万九千経営体が廃業しています。

 新たに三十九歳以下の青年で農業を志す人は一万二千程度にとどまっています。高齢農家中心に廃業は八万人に及んでいることになります。

農政の転換急げ

 日本の農業は一九九五年に、WTO(世界貿易機関)協定を受け入れ、農産物の輸入が増えつづけるのに比例して危機が深まってきました。今回の調査は、輸入自由化とともに、安倍内閣のすすめる一定規模以上の農家などしか農政の対象にしない品目横断対策が、危機を加速させていることを示しています。

 日本共産党は、農業を国の基幹産業に位置づけ、すべての農家を支援対象とし、新規就農の青年に月十五万円(三年間)援助するなど、日本を「農のある国」によみがえらせることを提案しています。

 農政の転換が緊急に求められています。


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