2007年8月10日(金)「しんぶん赤旗」

日本共産党創立85周年

記念講演会 あいさつ


 9日に開かれた日本共産党創立85周年記念講演会での、参院選で当選した3人の議員、この1年間に誕生した党員首長である長野県御代田町の茂木祐司町長、埼玉県蕨市の頼高英雄市長のあいさつの要旨を紹介します。


新参議院議員の3氏

「新しい政治」にワクワク

井上 哲士(さとし)さん

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 二期目の当選をさせていただき、ひきつづき参院国会対策委員長を担うことになりました。

 投票の翌日にこういうメールをいただきました。「父が末期がんで入院しています。父は病室でしっかり投票しました。今は意識がないのですが、『井上君、当選したよ』と伝えるとニッコリ笑っていました」というものです。寄せられた四百四十万票の、この一票一票に命の叫びがあります。

 与党過半数割れという誰も経験したことのない新しい参議院です。新しい政治を切り開くうえで日本共産党がどう役割を果たすのか、まさに知恵と力の出しどころです。ワクワクする気持ちと同時に責任の重さも痛感しています。ただちに公約の実現と総選挙の勝利に全力をあげます。(拍手)

憲法九条を変えさせない

紙 智子(ともこ)さん

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 選挙が終わって、国会の部屋に戻ると、メールがたくさん届いていました。多くのみなさんの思いがぎっしり詰まっていると思いました。「自民公明の悪政に痛打を与えることができた。しかし、共産党の議席減は悔しい。次には何としても前進を」。この願いに応える奮闘をと決意しています。

 選挙のときに父の戦争体験と憲法のことを訴えました。二十歳で召集され、台湾で終戦を迎えました。終わりごろにはアメリカの飛行機が毎日飛んできました。どれだけの若い、いたましい命が奪われたことか、あんなばかげた戦争は二度とやってはいけない。多くの人の思いがこもった憲法九条を変えさせてはならないと思います。新しい国会で憲法改悪阻止へ全力でがんばります。(拍手)

「戦争しない」約束果たす

山下 芳生(よしき)さん

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 兵庫県但馬地方で、学校帰りの小学生たちが私の演説を聞いてくれました。「戦争というのは子どもたちがいちばん悲しい目にあうと思うよ。広島でも長崎でもそうでした。だから日本が二度と戦争する国にならないように、私たちおとなががんばるからね」と話すと拍手をしてくれました。

 後日、その中の一人の男の子から手紙が届きました。「よしきさんの言ってる事は正しいと思います。ぼくたちは戦争をしたくないし、また、げんばくを落とされたくありません。それに友だちや家族を失いたくないです。もし会議に出るのであれば安倍総理にぼくのことを言ってもらえませんか?」(笑い、拍手)

 ご支援のおかげで男の子との約束を果たせます。六年間蓄えたエネルギーを大爆発させてがんばります。(拍手)

日本共産党員首長の2氏

「同和」のゆがみを正して

長野・御代田町長 茂木祐司(もてきゆうじ)さん

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 御代田(みよた)町は、軽井沢の隣にある高原の町です。病気も治るほどのおいしい水や新鮮な野菜、冷涼な気候と澄んだ空気、浅間山のすそ野の広大な森林などの自然環境で「屋根のない病院」といわれます。

 私は四期十二年間、日本共産党議員として、東日本で一番ゆがんだ同和行政をただす活動に一貫して取り組んできました。

 議員をやめての町長選立候補は決意がいることでしたが、「同和事業のゆがみを正してほしい」という声が大きくなり、「立候補しないならあんたと縁を切る」「出ないのならおれは役場を辞める」と強烈な要請があり、投票日まで十八日間という立候補で勝利することができました。

 以前は「オール与党」の議会でしたが、私が町長になると共産党以外のオール野党になりました。行政と議会への関心は非常に高まっています。三回の議会で傍聴者はのべ二百三十人で、臨時受付を用意するほどです。

 六月議会では、同和事業を廃止しました。(拍手)

 町長など特別職給与を30%削減し、町長専用公用車も廃止しました。経費の節約と税金の無駄遣い削減による財源で国保税軽減、保育料引き下げ、子ども医療費無料化の大幅年齢引き上げを準備しています。国民の声にこたえる新しい政治の実現に向けてその一翼となってがんばります。(拍手)

市民主人公の街づくりへ

埼玉・蕨市長 頼高英雄(よりたかひでお)さん

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 六月三日、多くのご支援で市長選に当選でき、六代目の蕨(わらび)市長に就任できました。

 市長選には三度連続して立候補しました。八年と少しの間、市政を変えようという思いで、市民と力を合わせてきました。党派を超えた人たちが蕨市を変えたいという思いを託していただき、自民、公明が推薦する候補者との一騎打ちで勝利できました。(拍手)

 それから二カ月、日々、市民の期待と職責の重さ、やりがいの大きさを感じながら、元気で自転車で市役所に通っています。

 蕨市は日本で一番面積が小さく、人口密度が日本一の市であるとともに、成人式発祥の地です。

 私は、市民との接点を大事にしています。市長と語る会、市長を囲んでの学習会に呼ばれています。市議時代からの駅頭宣伝も、自分の言葉で市政の現状を訴えたいという思いから自分のスタイルを続けています。

 国民健康保険税や下水道の連続値上げなど、前市政が決めた計画をきっぱり中止することを表明しました。市長給与の30%削減の準備を進め、市長公用車は売却に出しています。蕨駅のエレベーター設置も見通しがでてきました。

 市民の力で新しい市長を選んで、新しいまちづくりが始まりました。こういう経験を通じて、“市民こそ主人公”を実感しています。(拍手)


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