2007年7月31日(火)「しんぶん赤旗」

自公大敗の意味は


 「大きな前向きの変化のプロセスが始まった、新しい時代が始まったといえる結果だ」。参院選結果を受けて日本共産党の志位和夫委員長はこう指摘しました(二十九日の記者会見)。自民・公明の「歴史的敗北」、そのために日本共産党の論戦はどんな意味をもったのか――。


政権担当能力にノー

 「与党にとって極めて厳しい結果だった。今後結果を出していくことで責任を果たしたい」。安倍晋三首相(自民党総裁)は三十日午後の記者会見で首相続投の考えを改めて示しました。しかし、与党大敗北の選挙結果は「有権者が、自民・公明の枠組みでは日本の前途はない、と判断した」(日本共産党常任幹部会声明)ものにほかなりません。

 自民党は三十七議席しか得られず、過去最低だった一九八九年の三十六議席に次ぐ歴史的大敗を喫しました。非改選と合わせても八十三議席と保守合同で臨んだ一九五六年の参院選以降、最低。公明党も過去最低だった九八年と同じ九議席にとどまりました。

 今回の結果は、「求心力を失った『死に体』政権を国民が欲していないことは確かだ」(神奈川新聞三十日付社説)というように、安倍・自公の政権担当能力にノーをつきつけたのです。

 年金・福祉、住民税と消費税、貧困とその不安、「政治とカネ」、憲法改定…。有権者が選挙戦の争点に求めたあらゆる問題で安倍・自公政権は、国民世論と乖離(かいり)した対応しかとれませんでした。

 「景気は回復している」と国民生活を直視せず、選挙後に狙う消費税増税の計画にはだんまりを決め込みました。相次ぐ閣僚の暴言や「政治とカネ」の問題は、この内閣に政治モラルさえないことを浮き彫りにしました。

 安倍首相は三十日の会見で「『政治とカネ』の問題で私たちの考えは受け入れられなかった」と認めつつも、閣僚の疑惑解明にはいっさい言及しませんでした。

 小泉前政権のもとで進められた「構造改革」路線で貧困・格差が拡大し、地方はどんどん切り捨てられました。今回、一人区での自民党の惨敗は、こうした「構造改革」路線をすすめた政治に対して国民がつきつけたノーの声です。「自民の支持層 離反」(「読売」)、「支持層固め切れぬ自民」(「産経」)など、マスメディアの出口調査では自民支持層の三割近くが同党を離れたことが明らかになりました。自民党の支持基盤の劇的な崩壊からも、もはや自公の古い枠組みでは通用しなくなっていることがみてとれます。

自公追い込んだ論戦

 自公両党の議席を過半数割れに追い込む論戦をリードしたのは日本共産党でした。安倍・自公政権の暴走への国民的怒りの代弁者として、あらゆる問題で与党を徹底して追及。国民の利益を守るために現実的な提案をおこない、政治を動かしました。

 五千万人にものぼる「宙に浮いた年金記録」問題では、一億人すべてに年金記録を送付する「一億人レター作戦」を提唱。安倍首相も「共産党の提案を取り入れた」と述べたように、政府の対策に盛り込みました。

 年金制度問題では、年金受給資格期間(二十五年以上)の短縮をいち早く提起。自民党の中川昭一政調会長も「検討すべきだ」と述べるなど、与党に影響を与えました。

 住民税増税問題では、増税がどんなに国民生活に深刻な打撃を与えるかを早くから告発。一貫して反対をつらぬき、「こういう(住民税増税の)話は“たしかな野党”の日本共産党に聞くに限る」(『プレイボーイ』八月六日号)などとの声も。

 消費税増税をめぐっては、安倍首相が「消費税を上げないなんて一言も言っていない」と述べながら、その後ごまかし続ける姿勢を徹底して追及。「国民の審判を事前に仰ぐことなしに決めることは許されない」と訴え、選挙の熱い争点に押し上げました。

 憲法問題を選挙の大争点に押し出したのも日本共産党でした。安倍首相が昨年の自民党総裁選の際、「アメリカと肩を並べて武力を行使する」ために改憲すると言明した事実を示すなど安倍改憲の危険な狙いを繰り返し、暴露しました。

 国民の怒りを広げた赤城徳彦農水相らの「事務所費」問題。最初に告発し、政界を揺るがす大問題にしたのは、日本共産党の国会での追及と「しんぶん赤旗」のスクープでした。選挙中も、「しんぶん赤旗」は、塩崎恭久官房長官の新たな疑惑も取り上げ、企業・団体献金も政党助成金も受け取らない党ならではの役割を果たしました。

 参院で与党過半数割れとなった国会で日本共産党の果たす役割は、ますます重要になってきています。

重み増す共産党の議席

 日本共産党は、比例代表で三議席を獲得しました。非改選を含めて七議席になりました。

 比例代表の得票数は、前回、前々回の得票を上回る四百四十万票(得票率7・48%)という地歩を維持しました。選挙区では、議席獲得にはいたりませんでしたが、東京、大阪、京都などで得票・率を増やすなど、力戦・奮闘しました。

 選挙結果は、自公政治全体への「ノー」の審判となりましたが、自公政治にかわる新しい政治の中身については国民の選択が明らかになったということではありません。

 それだけに、「たしかな野党」として自公政治に対抗する明確な旗を掲げた日本共産党の議席は、新たに迎える政治的激動のなかでいよいよ重みをまします。


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