2007年7月24日(火)「しんぶん赤旗」

人質の解放要求 韓国

アフガン武装勢力に

ソウル 撤兵前倒し求め集会


 韓国大統領官邸(青瓦台)の千皓宣スポークスマンは二十三日、記者会見でアフガニスタンの武装勢力タリバンに対して、人質にしているキリスト教会ボランティアの韓国人二十三人の解放を求めるとともに、現地に派遣した韓国政府代表団が交渉を試みていることを明らかにしました。各政党やキリスト教団体も人質の早期解放を呼び掛けました。(面川誠)


 タリバンは人質と同数の拘束メンバーの釈放と、アフガンに駐留する韓国軍の撤退を求めてきたとされます。韓国軍撤退については、事件前に年末の撤退が決まっていたことから、タリバンが要求を取り下げたとも報じられています。

 これについて千スポークスマンは「タリバンにとっていちばん重要な要求が何なのかを確認中だ。それによってわれわれの対応も変わる」と指摘。アフガン治安部隊などが救出作戦に着手したと報じられたことに関しては、「韓国政府の同意なしに救出作戦を実施することはない。すでにアフガニスタン政府と多国籍軍側と協議が済んでいる」と述べました。

 韓国政府は、〇一年の9・11テロ後に米軍がアフガニスタンに侵攻しタリバン政権を倒した後、同年十二月から輸送支援部隊、医療部隊、工兵部隊を順次派遣。現在は約五十人の医療部隊と約百五十人の工兵部隊が駐留していますが、今年末までに全員撤退する計画です。国連安保理決議に基づくアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)の一員ではありません。

 韓国内では、市民団体の連合組織「派兵反対国民行動」が二十三日、ソウル市内で集会を開き、「韓国人拉致の原因は米ブッシュ政権のアフガニスタン占領と韓国軍の派兵」だとし、「人質全員の帰還のために韓国軍は即時撤兵すべきだ」と訴えました。

 一方、韓国キリスト教教会協議会は二十二日、アフガニスタンでの活動を中止し帰国するよう各教会に呼び掛けるとともに、年末に予定されている韓国軍の早期撤収を検討するよう韓国政府に求めました。

 韓国メディアによると、拉致されたボランティアは大韓イエス教長老会高神総会に所属するソウル近郊の「セムムル教会」の信者。教会の信者は約三千二百人で六、七年前から海外でのボランティアや布教活動を行っているといいます。


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