2007年7月20日(金)「しんぶん赤旗」

「自公対共産党」の対決どの問題でもくっきり

東京で政談演説会 志位委員長が訴え


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(写真)東京・政談演説会で志位委員長が訴え

 日本共産党は十九日、東京・日本青年館で政談演説会を開きました。会場いっぱいの聴衆を前に、志位和夫委員長は、参院選の本当の対決軸が「自民・公明対日本共産党の対決」であることを浮き彫りにしながら呼びかけました。

 志位氏は、冒頭、新潟県中越沖地震について、前日に自身が現地入りして被災者をお見舞いし、原発を調査したことにふれ、「政府に、被災者の心と体の両面で、万全の対策を求めます。同時に、住宅再建への公的支援に今度こそ踏み出すことを強く要求したい」と強調。柏崎刈羽原発の事故問題では、安全対策の不備を放置してきた政府の責任を指摘し、原発の安全基準、耐震基準の抜本的見直しと総点検を求めました。

 また、宮本顕治元議長が亡くなったことについて、戦前の不屈のたたかい、戦後の自主独立のたたかいなど、日本共産党がゆるがず前進する土台を築いた功績、そしてその人柄にもふれながら、「私たち後につづく世代がこの事業を引き継ぎ、直面する選挙で立派な結果を出すために全力を尽くしたい」と表明し、大きな拍手につつまれました。

 その上で、志位氏は、選挙戦での論戦を通じて、四つの争点が浮き彫りになったと指摘。(1)年金(2)「ストップ貧困」(3)憲法(4)「政治とカネ」―のそれぞれの問題について、志位氏が直接、安倍晋三首相を追及して明らかになった点も紹介しながら、安倍・自公政権の危険な暴走ぶりと、それに正面から立ち向かう「たしかな野党・日本共産党」の立場をくわしく解明しました。

 同時に、民主党が自公政治の暴走に立ち向かう旗印を立てられないことも示し、日本共産党の前進を呼びかけました。

 憲法問題では、志位氏がテレビ党首討論で直接、安倍首相を追及したなかで、安倍・自公政権がつきすすむ改憲の目的が、イラク戦争のような無法な戦争に「米国と肩を並べて武力の行使をする」ことにあることがはっきりしたと指摘しました。

 そして「日本国民が憲法九条を手にするには、たいへんな犠牲があったことを忘れてはならない」と強調。宮本元議長が終戦直後に書いた回想記『網走の覚書』の一節、弟・達治さんが広島で原爆で亡くなったことにふれたくだりを語りかけるように紹介しました。

 「混乱と苦痛の中に、おそらく誰にも十分みとられず、行方も分からず死んだだろう弟のことを壁にもたれて静かに考えていると、まぶたに涙を感じた。専制的天皇制は、われわれから何と多数のものを奪い去っただろう。しかし、歴史は審判する。審判しなければならない。専制主義は打倒されねばならぬ」

 会場には、目頭をおさえて聞き入る聴衆の姿がありました。

 「こんな犠牲は再び繰り返してはならないという反省のうえに、私たちが手にしたのが憲法九条です」と志位氏。「この誇るべき宝を無傷で子と孫の世代に引き継ぐのは、現代を生きる私たちの重大な責任です。九条をまもれ―この願いは、党をつくって八十五年、命がけで反戦平和を貫いた試されずみの平和の党、日本共産党へ」と力を込めると、会場は大きな拍手につつまれました。

 この演説会の模様は、二十二日にNHK「参院選特集 党首は訴える」で放映されます。


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