2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」

緒方副委員長と韓国代表懇談

植民地時代の文化遺産返還問題


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(写真)「朝鮮王室儀軌還収委員会」の代表と懇談する緒方副委員長(左)

 日本共産党の緒方靖夫副委員長・国際局長は十七日、国会内で、韓国の「朝鮮王室儀軌還収委員会」幹事の慧門(奉先寺)、法相(月精寺)の両僧侶、同委員会共同代表の金元雄議員(与党・開かれたウリ党)の補佐官である朴基亨氏らの訪問を受け、「朝鮮王室儀軌」の韓国返還問題について懇談しました。

 「朝鮮王室儀軌」は、朝鮮王朝時代の王室の儀礼を絵や文で整理した記録で、韓国の重要な文化遺産です。しかし、日本が朝鮮を植民地支配していた一九二二年に、朝鮮総督府から当時の宮内省に搬出されました。現在、宮内庁の書陵部皇室図書館に所蔵されているといいます。

 韓国では、この「儀軌」を「朝鮮民族の文化を理解するうえで必須の文化遺産」と位置づけて返還を強く求め、民間団体「儀軌還収委員会」が組織されて返還のための研究や運動が取り組まれるとともに、昨年十二月には韓国国会が返還要求決議を採択して日本政府に伝達しました。

 緒方氏は、今年五月に参院外交防衛委員会でこの問題を取り上げて質問。外務省は返還の法的義務はないとするものの、「個別の事例に応じて対応していきたい」と答弁し、麻生外相も、緒方氏の「ご意見は尊重」すると答弁していました。この質問は韓国で大きく報道されました。

 懇談で一行は、緒方氏の国会質問などを通じた「韓日関係の友好模索についての熱情」について感謝を表明し、韓国にとっての返還の大きな意義、運動の発展の現状について述べました。

 一行は続いて外務省を訪れ、同省アジア大洋州局北東アジア課の室田幸靖首席事務官に、日韓友好のために「儀軌」を韓国側に返還するよう要請しました。これには、緒方氏が同席しました。

 要請を受けた室田氏は、「儀軌」は宮内庁が保管し返還交渉の日本側窓口は外務省であること、こうした文化遺産の返還問題では日本側に法的な義務はないもののこれまでも個別に対応しており、返還には前例があるなどと述べました。


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