2007年7月16日(月)「しんぶん赤旗」

中国 違法な土地使用

8割は地方政府関与

国土資源省発表


 【北京=山田俊英】中国国土資源省は十二日、違法な土地使用についての過去一年間の監察結果を発表しました。この中で、違法に使用されている土地面積の80%は地方政府によるものだったことを明らかにし、利益目当ての乱開発を批判しました。

 違法案件として調査したのは全国で二万二千件、三万三千ヘクタール。八百七十九人を司法機関に送り、百六十八人に刑事処分が科せられました。九百二十七人が中国共産党の規律違反として処分されました。

 また、二〇〇五年八月から今年五月までに、土地の違法使用にからむ収賄事件九十八件を摘発しました。金額は総計四千三百三十万元(約七億円)にのぼります。刑事罰、行政罰、党の規律違反でのべ百二十人が処分されました。

 浙江省平湖市では市がリゾート開発のため農地など七十五ヘクタールを違法に収用していたことがわかり、関与した幹部が処分され、収用が無効になりました。河南省洛陽市では開発業者が隋唐時代の遺跡を含む三十五ヘクタールを植物園建設の名目で借り、ゴルフ場を建設しました。

 記者会見した徐紹史国土資源相は「一部の市、県政府は土地の違法使用を黙認、または背後で操っている」と批判しました。

 中国では土地は公有で、使用権が譲渡、賃貸されます。農民の土地請負経営権は今年三月の全国人民代表大会で採択された物権法などで保障されています。しかし、実際には地方政府が農民から十分な補償なしに使用権を収用し、地方政府がかかわる開発業者が開発してもうける行為が各地で問題になっています。


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