2007年7月8日(日)「しんぶん赤旗」

主張

消費税発言

目の前の参院選で信を問え


 「消費税を上げないなんてことは一言も言っていない」。安倍首相が五日夜のテレビ番組で、参院選後の来年度税制「改正」で「消費税から逃げない」姿勢を強調しました。

 消費税は所得ゼロの子どもからも二兆円の利益を計上するトヨタの社長からも、同じ税率で吸い上げる不公平な税制です。所得が低い人ほど生活費に深く食い込んで生活水準を低下させる貧困促進の税制です。

 「消えた年金」「増えた税金」で、くらしの不安があふれています。最悪の庶民増税である消費税増税の強行など絶対に許せません。

 最悪の庶民増税をためらわないという姿勢を首相は政権のアピールポイントとして押し出しました。国民を見くびった挑戦です。参院選で道理のない増税を拒否する明確な審判を下そうではありませんか。

 安倍首相は「消費税から逃げない」と言う一方で増税に対する国民の判断を仰ぐのは増税決定後の「衆院」選にしたいとのべています。

 “秋の税制「改正」で消費税を増税するかもしれないが、夏の参院選ではそれを忘れて投票してほしい。そのうち衆院選をやるから、そのときに事後承諾してもらえばいいでしょう?”。増税からは「逃げない」が国民の審判からは「逃げますよ」という、どこまでも自分の都合しか頭にないひきょうなやり方です。

 翌六日になって、安倍首相は税収増と歳出削減しだいでは消費税率の据え置きもありうるとのべ、「火消し」に回りました。しかし、この発言は、税収と歳出しだいでは消費税を増税するという意味です。それを秋には決めると言うのですから、引き上げる場合の税率を含めて国民に正直に説明し、信を問うことから逃げるべきではありません。

 安倍首相は消費税増税の口実に年金財源を持ち出しています。住民税増税をもたらした、定率減税廃止の口実と同じです。定率減税廃止で生まれた財源は、ほとんどが大企業・大資産家の減税に使われました。

 今後の税制「改正」では、大企業向けの法人実効税率の大幅引き下げが計画されています。経済財政諮問会議メンバーの財界代表は、その財源を消費税増税でまかなう狙いを公言しています。何度国民を欺いたら気が済むのでしょうか。



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