2007年7月6日(金)「しんぶん赤旗」

ミート社、資金流用

党道議追及 衛生融資で偽装機械


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(写真)質問する真下紀子道議=5日、札幌市

 食肉偽装を行ったミートホープ(北海道苫小牧市、田中稔社長)が、二〇〇〇年に、衛生管理方法・HACCP(ハサップ)対応のためと称して北海道あっせんで融資をうけながら、実際には牛ミンチ偽装に使用した挽肉機械などの施設整備にその資金を使用していたことが、五日、道議会予算特別委員会での日本共産党・真下紀子道議の質問で明らかになりました。

 ミート社は、一九九九―二〇〇四年までに道あっせんの制度融資を二億三千万円受けており、保証協会付きの二件約四千五百万円がまだ返済されていません。真下道議は、HACCP対応のため二〇〇〇年に五千万円の融資を受けた時期が、雨水を冷凍肉の解凍用に引き入れる配管を設備した時期とも重なっていると指摘しました。

 真下道議は「苫小牧保健所にはミート社からHACCP対応のための相談はあったのか」と質問。高橋はるみ知事は「相談の事実は確認されていない」と答えました。

 ミート社内でHACCP対応がされていなかった事実は、紙智子参院議員の現地調査で発覚しました。

 真下道議はさらに、道は食品衛生法に基づいて、抜き打ち調査ができるのに、ミート社への四回の調査のうち三回は事前通告を行い、一回は通告状況も不明であることを批判。「企業モラルが地に落ちているときに、行政がチェック機能を発揮しなければ『食の安全』を守れない」と厳しく指摘しました。


 HACCP(ハサップ) 米国航空宇宙局が有人宇宙飛行の「宇宙食」生産のために開発した衛生管理システム。最終製品までの各工程の危険個所を予測分析しチェック。「素手で食品を触らない」など従業員の衛生管理、機械の洗浄・殺菌、保守点検は適切に行われているかなど細菌混入の可能性を徹底的に排除するシステムです。一九九五年にHACCP導入にあたって厚生省は食品衛生法七条を変えて、食品衛生管理者を置かなくてもいいことにしました。


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