2007年7月2日(月)「しんぶん赤旗」

立場超え病院守ろう

共産党の奮闘に共感

党シンポに300人、署名は5000超

千葉・銚子


 全国各地で、医師不足から診療体制縮小に追い込まれている自治体病院が増え、地域医療が危機的な状況となっています。千葉県銚子市内で六月二十八日、市立総合病院の医師不足を打開しようと、日本共産党が開いたシンポジウムには、岡野俊昭市長や同病院の佐藤博信院長も報告者として出席し、党派を超えて地域医療を守ろうとの熱気に包まれました。(洞口昇幸)


 会場には一般市民や病院関係者、消防署員、開業医、保守系市議ら約三百人がつめかけ、地元テレビ局も取材しました。

 各地で自治体病院が医師不足に悩まされているのは、自民党政府が「医師が増えると医療費が膨張する」として医師養成の抑制政策をとりつづけているためです。

 同病院も昨年は三十五人だった常勤医師が現在二十人程度に。今年五月から内科や小児科、婦人科の入院患者の受け入れをやめ、内科系や婦人科、小児科の二十四時間の救急医療体制も平日午後七時から十時までの小児救急診療を残すのみとなっています。

院長も市長も

 佐藤院長はシンポの報告で、経済協力開発機構(OECD)加盟国三十カ国のうち、日本は医師数が二十七番目とのデータを示し、「厚生労働省は『不足ではなく偏在』との見解だが、医師の絶対数は不足している」とのべ、地域医療を守るために医師の抜本的増員と労働環境の改善が必要だと訴えました。

 岡野市長は、五月の自民党本部での政務調査会議に出席して医師不足の窮状を訴えたり、医師確保のために大学病院や医療機関を自ら訪問したりしていることを報告。訪問先で「医師不足は国の施策の失敗によるものだ」との意見が出たことなどを紹介しました。

 参加した市民からは「市立病院には七年前からお世話になっている。ぜひ存続してほしい」「国や県の医療制度の改悪を変えさせる必要があるのではないか」などの声があがりました。

 シンポの終わりに、佐藤院長が「みなさんの心温まる応援を受け、病院存続のために全力でがんばります」とのべ、岡野市長も「市民のみなさんと元気の良い病院にしていきたい」と訴えると、会場から大きな拍手がわきました。

党の値打ちを

 党市議団(三浦真清団長・三人)と党支部は、二月から医師確保などを求める署名を開始しました。三月には、党市議団が岡野市長に、(1)市役所内に医師確保のためのプロジェクトチームを立ち上げること(2)医師など医療スタッフが働きやすい職場環境を整えること(3)国に医学部定員枠の拡充と診療報酬を元に戻すことを要請すること(4)県に医師確保のための施策拡充を要請すること―などを提言。岡野市長は「具体的に提言してくれてありがたい」とのべました。

 四月の市議選挙で、党は「市立総合病院を住民の命と健康を守る拠点にしよう」と訴え、得票数を三割増やし、現有三議席を確保。署名は、党員の家に「署名用紙をください」と訪ねてくる人がいたり、理髪店などに置いてもらったりなど大きく広がり、署名数は五千筆を超えました。

 共産党主催のシンポに出席することにした理由について、岡野市長は、シンポの報告のなかで「五千人の署名に熱意を感じて参加することにした」と話しました。

 「おふくろが通院していて市立病院はなくては困る」と話す男性(68)は「共産党主催とか関係ない。とても勉強になった。国も県も含めてみんなで考えなければならない問題だと分かった」と感想をのべました。

 党銚子北支部の真住高嶺支部長(71)は「党派を超えて多くの人が来てくれた。関心が高まり、地域に入ると反応も良い。この問題を通して、共産党の値打ちを訴えていきたい」と語りました。

 日本共産党の谷川智行参院比例予定候補(小児科医)の話 私もシンポに参加し、医師不足や地域医療を守ることはどんな立場の人でも協力していける問題だと感じました。医師を抜本的に増やさず、医療費を抑制し続ける今の国の政策では人間の命と健康、地域医療を守ることはできません。日本共産党も全力をつくしてがんばります。


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