2007年6月30日(土)「しんぶん赤旗」

憲法の政教分離原則はなぜ定められたの?


 〈問い〉 日本共産党は先の4中総で公明党と創価学会の「政教一体」ぶりを批判していますが、そもそも憲法20条の政教分離はどういう経緯で定められたのですか? また、労組などの候補者の推薦および選挙活動との違いは?(埼玉・一読者)

 〈答え〉 日本共産党第4回中央委員会総会(4中総、今年5月17日)で志位和夫委員長は、公明党が悪政推進の役割をはたしていることを批判するとともに、「公明党と創価学会の『政教一体』ぶりが、いよいよ羽目がはずれたものになっている」ことを解明し、創価学会と一体の公明党が与党として政権に加わっていることについて「日本の民主主義の前途に重大な危険をもたらしかねないものであります。こうした異常な集団と一体の関係にある政党の政権参加の是非、そしてそれと連立を組んでいる自民党の姿勢が、いまきびしく問われています」と報告しました。

 憲法の政教分離の規定の成立過程ですが、戦前、戦中には、天皇制権力が国家神道をつくって国教としての特権的地位をあたえ、信教の自由をうばって全国民に神社参拝を強制するなどして、「神国日本」の名で軍国主義をあおりました。こうした政教一致への反省から、政教分離が憲法の20条および89条に規定されました。20条では「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と公権力の側にかかわる面と、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」と宗教の側にかかわる面との、両面から政教分離を規定しています。

 宗教団体が靖国神社国営化反対運動など広い意味での政治参加の権利をもつことは当然ですが、宗教団体が特定政党とその議員候補の支持を機関決定して信者に強要することは、信者の政治活動と政党支持の自由を奪うことを意味し、許されてはならないことです。これは労働組合などによる候補者の推薦および選挙活動についても同様ですが、宗教団体の場合は、宗教的権威をもって信者に特定政党とその候補者への支持を押し付けることになりますから、とくにきびしく批判されなければなりません。

 とりわけ創価学会の場合は、「仏敵撲滅」論にたつ反民主主義的体質という問題があり、4中総報告で紹介されている、01年に発表された不破哲三議長(当時)の「創価学会・池田大作氏に問う―31年前の『猛省』は世をあざむく虚言だったのか」では、「宗教政党の政権参加が憲法上許されるのかどうかという一般的な角度の問題ではなく、この異常で特殊な集団の政権参加の是非の問題として、社会的な批判と吟味にさらされる時期が必ずやってくる」と指摘しています。(平)

 〔2007・6・30(土)〕


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