2007年6月22日(金)「しんぶん赤旗」

自民議員の南京大虐殺否定

中国各紙が批判


 【北京=山田俊英】自民党議員がつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」が十九日、一九三七年の日本軍による南京大虐殺について中国が主張する三十万人の犠牲者数を否定したことについて、二十一日付の中国各紙が批判しています。

 人民日報が主管する国際問題紙の環球時報は、南京大虐殺を「(自民党議員が)虚構だと公言した」と伝えました。また、自民党と民主党議員が米紙に従軍慰安婦の強制性を否定する広告を出したことなど、「最近、日本では右翼が歴史を否定する風潮が高まっている」と懸念を表明しました。

 北京青年報は、「日本の議員団体があろうことか南京大虐殺を否定」、新京報は「死者数はわずか二万人とでたらめ」という見出しで、新華社電を掲載。新華社電は、同会の中山成彬会長が歴史問題で「公平さを求めている」と主張したことを「ずる賢い」と批判。同会が三十万人の死者数を否定し、中国の抗日戦争記念館から日本の侵略の写真を撤去するよう求めたことを「荒唐」(でたらめ)と非難しました。

 新京報は、日中両国政府首脳の相互訪問が実現したにもかかわらず、侵略を否定する主張が日本で続出していることについて、清華大学国際関係学部の劉江永教授の見解を伝えました。

 同教授は「安倍首相や麻生外相ら日本の主要な政治指導者は中国、韓国との関係を緩和しなければならないと考え始めた」、「彼らの歴史問題の態度は日本政府としての立場に基づいたものになっている」と、安倍首相らが村山談話など日本政府の公式見解の継承を表明していると分析。「しかし、国会議員のなかの右翼的人間たちは不満である。今回の大虐殺否定は、安倍政権に圧力をかけ、日本の右翼議員の特定の歴史観を表したものだ」と解説しました。



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