2007年6月20日(水)「しんぶん赤旗」

年金 受給・加入者全員の納付記録

1億人に直ちに送付を

志位委員長、首相に申し入れ


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(写真)鈴木官房副長官(右)に申し入れる志位委員長(中央)、穀田国対委員長=19日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は十九日、国会内で鈴木政二官房副長官と会い、「消えた年金」問題をめぐり、政府が把握している年金保険料の納付記録を、ただちにすべての受給者、加入者――一億人の国民に知らせるよう安倍晋三首相あてに申し入れました。穀田恵二国対委員長が同席しました。応対した鈴木副長官は「与野党をこえて、良い知恵があれば採用したい」として、「申し入れ内容を安倍首相に伝える」と返答しました。申し入れの全文は次の通り。


申し入れ(全文)

(1)

 五千万件をこえる年金記録が宙に浮いていることが明らかになり、国民に大きな不安が広がっています。この問題は、国民にはいっさい責任はなく、政府と国の責任で解決しなければなりません。解決にあたっては、「被害者は一人も残さない」「一日も早く」という原則にたって、あらゆる手段をつくすべきです。

 日本共産党は、そのための緊急対策として、つぎの五つの対策を提案しています。

 1、現在把握している年金保険料の納付記録を、ただちにすべての受給者、加入者に送る。

 2、「宙に浮いた」年金記録の調査を限定せず、可能性のあるすべての人に情報を知らせる。

 3、物証がなくても、申し立てや証言などを尊重して支給する。

 4、コンピューターの誤った記録を、すべての手書き記録と突き合わせて修正する。

 5、社会保険庁は解体・民営化ではなく、保険料流用や天下り禁止など改革こそ必要である。

(2)

 これらはいずれも重要な課題ですが、そのなかでも、政府が現在把握している年金保険料の納付記録を、すべての受給者、加入者――一億人の国民に知らせることは、政府の責任でただちにおこなうべきことです。

 いま全国の社会保険事務所に問い合わせが殺到し、窓口には長蛇の列がつづいています。電話での問い合わせがつながらず、「ねんきんあんしんダイヤル」は、一週間に百七十四万件もの電話がかかったが、9・3%しか応答できなかったと発表されています。「不安な人は問い合わせにこい」という姿勢では、国民の不信は募る一方です。

 わが党議員の「ただちにすべての国民への通知を」という提案にたいして、首相は、「最終的には全員に通知したい」としながら、「五千万件の突合(とつごう)を優先的にやりたい」という答弁をしています。しかし、政府の計画では、「突合」で「宙に浮いた」年金記録の該当者と推定された人でも、通知が届くのは来年の夏以降になり、納付記録の全員への通知は、年金受給者で来年の秋以降、年金を受給する年齢に達していない加入者は「十年がかりで順次送っていく」というものです。「まず五千万件の突合を」という段階論では、国民は、今後、一年も、二年も、場合によっては十年という長期にわたって不安な状態におかれることになってしまいます。それでは政府の責任は果たせません。

 政府が現在把握している年金情報をすべての国民に知らせることと、「宙に浮いた」年金記録の調査とを、段階的にすすめなければならない理由はどこにもないはずです。国民全員への通知は、社会保険庁のコンピューターに入っている情報を出力し、送付するだけであり、やる気になればただちにできるはずです。それをすみやかにおこなえば、正しく記録されている人は安心できるし、違うと思った人は是正を求めることができます。「宙に浮いた」年金記録を解決するうえでも、その促進になるはずです。

 以上をふまえ、緊急につぎの提起をするものです。

 政府が現在把握している年金保険料の納付記録を、ただちにすべての受給者、加入者――一億人の国民に知らせること。



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