2007年6月18日(月)「しんぶん赤旗」

新党「左翼」を結成

“社会福祉国家の党”掲げる

ドイツ


 【ベルリン=中村美弥子】旧東独部に基盤を持つ左翼党と旧西独部に基盤を持つ「労働と社会的公正のための選挙代案」(WASG)は十六日、ベルリンで統一党大会を開き、圧倒的多数で「左翼」を党名とする新党の創立を決定しました。ドイツ統一後、初めて社会民主党(SPD)より政治的に左に位置するとみずから規定する全国規模の政党が誕生しました。新党の党員数は約七万二千人で、ドイツで三番目の党員を持つ政治勢力となります。

 党大会は、ビスキー旧左翼党議長を83・6%で、ラフォンテーヌWASG議長を87・9%で共同議長に選出。また、幹部会委員四十四人を選出しました。新党「左翼」は、二〇一〇年まで議長二人体制を取ります。

 ラフォンテーヌ氏は選挙に先立つ演説で、新党「左翼」を社会福祉国家の党だと規定。ドイツ国民が誇りを持つ社会福祉国家の制度が過去数年の政治で破壊されていると批判し、年金制度の改善などを通じて社会福祉国家を再現したいと訴えました。また、「国際法は平和を保障する唯一の手段だ」と指摘し、「われわれは国際法を順守する新たな勢力となる」と表明しました。

 党大会では、連邦議会で両党統一会派の議長を務めるギジ氏があいさつに立ち、「今日の左翼の統一で、ドイツが本当に統一することになった」と述べました。新党「左翼」は、自由と社会正義の統一を通じて平和を守り、教育や文化において機会平等を広げ、環境保護に努めると約束。「自由と社会主義」を新党の目標にしていくと力を込めました。

 両党は〇五年、統一候補者名簿で連邦議会選挙に臨み、8・7%の得票で五十四議席を獲得。その後、組織の合併を目指し協議を続けてきました。これまでに「綱領上の基本点」を両党がそれぞれ承認しており、今後二年間かけて討議していくことになっています。

 日本共産党を代表して新党「左翼」創立党大会に参加している浅田信幸「しんぶん赤旗」欧州総局長は、新党指導部と意見交換しました。


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