2007年6月17日(日)「しんぶん赤旗」

北朝鮮のIAEA招請

初期段階措置の円滑履行

早期の査察官復帰がかぎ


 北朝鮮が十六日、国際原子力機関(IAEA)代表団を招請したことで、二月十三日の六カ国協議で合意した「初期段階措置」の履行に踏み出す可能性が出てきました。米首席代表のヒル次官補(東アジア・太平洋担当)は十六日、モンゴルで開かれている国際会議で、次回の六カ国協議を「七月初めには再開されるよう期待している」と述べました。

 北朝鮮は二〇〇二年に寧辺からIAEA査察官を追放し核開発を再開、昨年十月には核実験を強行しました。

 今年二月十三日の六カ国協議の合意文書によれば、北朝鮮は初期段階措置として寧辺にある再処理施設を含む核施設を「最終的に放棄することを目的として活動の停止・封印する」と同時に、IAEA査察官を復帰させなければなりません。

 IAEAのエルバラダイ事務局長は三月に訪朝し、査察官の復帰について北朝鮮側と基本的な協議を済ませています。

 十六日の北朝鮮の書簡は「検証査察問題の討議」のためにIAEA代表団を招請するとしている一方、具体的な日程には言及していません。初期段階措置の円滑な履行のためには北朝鮮が早期に査察官の復帰を受け入れる必要があります。

 初期段階措置の履行を終えれば、北朝鮮をはじめ各国が「北東アジア地域における安全保障面での協力を促進するための方法と手段を探求することを目的に、速やかに閣僚会談を開催する」(二月十三日の合意文書)ことになります。

 ヒル次官補は十八日に六カ国協議の議長国・中国を訪れ、中国首席代表の武大偉外務次官と会談し、六カ国協議再開の日程などを話し合う予定です。さらに十八日から十九日にかけて韓国を訪問、続いて十九日から二十日まで日本を訪れます。(面川誠)



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp