2007年6月15日(金)「しんぶん赤旗」

自衛隊の国民監視活動

軍国主義国家の特質

米反核平和活動家が批判


 陸上自衛隊の情報保全隊が日常的に国民監視活動をしていた問題について、米国の反核平和活動家のジョセフ・ガーソンさんに聞きました。ガーソンさんの所属するアメリカ・フレンズ奉仕委員会も米国防総省による「テロ対策」を口実にした不当な監視の対象となっています。(ワシントン=山崎伸治)


 米国でも日本と同じようなことが起きています。それはベトナム戦争のころにもありましたし、第一期ブッシュ政権が「対テロ戦争」に乗り出してからもそうでした。こうした活動は「警察国家」の基盤だとして、一九六〇年代には議会で公聴会も開かれ、非合法とされました。それを米政府が犯しているのです。米国ではこういう活動は日常的に起こっているということです。

 私は日本が向かおうとしている先について深刻に考えざるを得ません。いまの日本の支配層が思い描いているのは、日本を政治的暴力の環境のもとにおくこと、(日中の)十五年戦争時代の雰囲気に戻すこと、つまり日本を全体主義の国にすることです。

 この動きは憲法の改悪や日米の集団安保体制の強化、日本の核武装化の議論と軌を一にしており、これらはいずれも恐ろしいことです。

 これはある意味きわめて構造的です。安倍首相は戦犯である岸首相の孫ですが、岸氏はCIA(米中央情報局)の庇護(ひご)を受けて権力の座につき、日米安保条約の延長で大きな役割を果たしました。その時代から、綿々とさまざまな策動が続けられてきました。

 私たち(アメリカ・フレンズ奉仕委員会)がペンタゴンの監視下にあるというのは、とてもばかげたことです。二〇〇四年の大統領選挙前、民主、共和両党の全国大会が開かれた時には、私たちの事務所の前には「私服」がいましたし、あるときには二機のヘリコプターが事務所の上空を監視していました。

 国民に対して秘密の報告がつくられれば、それが誰の手に渡るか知る由はない。しかしこうした報告が在日米軍や警察の手に渡っていることは想像できます。

 対処せねばならないのは根本問題―すなわち、そもそもこうした秘密報告がつくられているということでしょう。これは国民の人権と民主主義の権利の侵害です。軍が国民を調査するというのは、軍国主義国家の最も重要な特質です。



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