2007年6月13日(水)「しんぶん赤旗」

おはよう ニュース問答

出生率が回復したっていうけれど


 はるか 久しぶりに上がったそうね。

 みどり えっ、給料?

 はるか 違うわよ。厚生労働省が発表した昨年の合計特殊出生率!

 みどり ああ、そのこと。合計特殊出生率って、たしか一人の女性が一生に産む子どもの数の推計のことね。

 はるか そう。二〇〇六年は一・三二になって、〇五年より〇・六上昇したの。上がったのは六年ぶりなんですって。

本格的な回復は

 みどり 私もその記事読んだよ。〇三年と〇四年に一・二九になり、〇五年には一・二六と過去最低にまでなった。それが一・三二に回復したわけだけど、上昇に向かうのかしら。

 はるか 国際的にみると、合計特殊出生率が一・三を割り込むと、「超少子化国」といわれるんだって。昨年は、その水準からやっと抜け出したけど、本格的に回復するという見方は少ないわ。

 みどり 新聞を見ても「回復は一時的」「景気だのみ?」という指摘が目立つわ。周りを見ても、子どもを産みやすくなったって感じがしないもの。

 はるか 日本の少子化傾向は、一九八九年の合計特殊出生率が一・五七になってから目立つようになったわ。なかでも、ここ数年、出生率が下がったことの背景には、社会や経済の動きがあると思うの。

 みどり そうね。男性も女性も長時間労働でクタクタでしょ。非正規雇用が増え、将来も安定した生活の見通しがたたない。これでは、結婚したり、子どもを産んで育てようという希望が持てないわね。

ヨーロッパでは

 はるか ヨーロッパの国々でも七〇年代から八〇年代にかけて、出生率が下がった時期があった。でも、最近は低下傾向に歯止めをかけているらしいわ。

 みどり 昨年のフランスの合計特殊出生率が二になったことが話題になったけど、フランスは、日本と比べるとおよそ三倍の「家族政策」の公的支出があるし、労働時間もはるかに短いのよ。

 はるか 日本政府も、いま「国民の結婚や出産にたいする希望と現実に乖離(かいり)」があるとして、対策を考えるとしている。安心して子育てできる社会を実現するために、思い切った政策転換をしてほしいわ。
〔2007・6・13(水)〕

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