2007年6月12日(火)「しんぶん赤旗」
女性自衛官国賠訴訟
「私の青春返して」
原告本人が意見陳述
北海道内の自衛隊基地に勤務する現職女性自衛官(21)が、自衛隊内で受けた暴行と上司による事件のもみ消し工作、退職強要などを理由に、国を相手取って一千万円余の損害賠償を求めている国家賠償請求訴訟の第一回弁論が十一日、札幌地裁(斎藤紀子裁判長)で開かれました。原告の女性自衛官本人が法廷に立ち、意見陳述しました。
女性自衛官は、こみ上げる怒りを抑えきれない様子で時折被告席をにらみ、「(事件に遭った)私の二十歳は暗黒の年でした。自衛隊は私を傷つけ、私の人権を踏みにじりました。私の青春を返してください」と、声を震わせながら訴えました。傍聴席からすすり泣く声も聞こえました。
女性自衛官は、部隊での退職強要の実態、提訴後の激しい嫌がらせの事実を明らかにし、「私の事件を通して、私のような思いをする女性が二度となくなるようにしたい。私の踏みにじられた人権を取り戻すため、同じ経験をした女性たちに勇気を与えるため、たたかいます」と決意を述べ、満席の傍聴席から拍手がわき起こりました。
弁護団の佐藤博文弁護士らは、原告が提訴をした直後から、被害者である原告に対する懲戒処分の脅しなど、すさまじい嫌がらせが行われていることを指摘し、被告代理人と裁判所に改善を強く求めました。
公判後、弁護団と「女性自衛官の人権裁判を支援する会」は報告集会を開き、今後も署名活動などに取り組んでいくことなどを確認しました。