2007年6月7日(木)「しんぶん赤旗」

G8サミット開幕

温暖化対策前進目指す

影落とす米のMD配備計画


 【ハイリゲンダム(ドイツ北東部)=中村美弥子】第三十三回主要国首脳会議(G8サミット)が六日夜(日本時間七日未明)、ドイツ北東部ハイリゲンダムのホテルを会場に独首相主催の非公式夕食会で開幕。八日までの三日間の日程で地球温暖化対策とアフリカ支援、ヘッジファンド規制が主要議題として討議されます。最終日にドイツのメルケル首相が議長総括を発表する予定です。


 G8首脳は七日、温暖化対策など主要議題に加え、北朝鮮やイランの核問題、セルビア・コソボ自治州の独立問題のほか、中東情勢などについても協議します。

 議長国ドイツは温室効果ガスの具体的な削減目標値で合意したい意向ですが、米国は数値目標に背を向ける消極的な姿勢を変えていません。

 サミットには、新興経済国である中国、インド、メキシコ、ブラジル、南アフリカの首脳が招待されています。八日には、これらの国の首脳を交えて、国際経済や地球温暖化対策について論議します。新興国を今後、サミットの参加国にする案も検討されます。

 同日は、エジプトやアルジェリアなどのアフリカ諸国の首脳とアフリカ連合代表を交え、アフリカの社会・経済問題や安全保障問題について協議し、支援策を探ります。

 サミットに影を投げ掛けているのは、米国のミサイル防衛(MD)システムの東欧配備計画です。ロシアのプーチン大統領はMDが導入されれば「欧州で新しい標的を設けることになる」と警告、五月末には新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を実施しました。欧州の世論はMD配備に強く反対すると同時に、軍事的対抗を示唆しているロシアの姿勢にも懸念を強めています。

 各国首脳は五日から続々現地入り。ブッシュ米大統領が到着したロストクの空港周辺では、約千人のデモ参加者が「ブッシュは帰れ」と叫びながら抗議しました。

 ロストクではサミット期間中、非政府組織(NGO)や平和団体、労働組合などの主催で対抗サミットが開かれます。参加者は環境問題、平和、途上国支援のあり方などについて討論。G8首脳らに市民の立場から対案を提起するとともに、コンサートなどのイベントを通じて世論を喚起することを目指しています。


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