2007年5月29日(火)「しんぶん赤旗」

クーデター加担のテレビ局閉鎖

新公共放送を開始

ベネズエラ


 【ブエノスアイレス=松島良尚】ベネズエラの民間テレビ局RCTVは放送免許の切れる二十七日、クーデターを策謀したテレビ局の免許更新は認められないとする政府方針どおり閉鎖されました。二十八日午前零時からRCTVに代わる新公共放送「ベネズエラ社会テレビ」(TVes)の放送が始まりました。

 二十七日には政府の措置に対する賛成、反対両派が大規模なデモや集会を実施。反対派数千人が全国テレビ放送委員会に押し寄せて投石し、警官隊が放水する事態も生じました。賛成、反対派とも夜を徹して集会を開いています。

 RCTV閉鎖について賛成派はメディアの「民主主義化」と強調しています。地域統合推進を掲げるテレビ局テレスルのイサラ責任者は二〇〇二年四月のクーデター事件当時、RCTVニュース担当幹部でした。同氏はクーデター当時をふりかえり、「クーデター支援のため、すべての報道が検閲されていた」と述べています。

 今回の政府の措置についてRCTV側は差し止めるよう最高裁に訴えましたが、認められませんでした。同局のグラニエル最高責任者は二十七日、政府の措置を「独裁の始まりだ」と非難しました。

 米州新聞協会や米国に拠点を置く人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチもベネズエラ政府を批判しました。米上院と欧州議会はこの間、免許非更新に「深い懸念」を表明する決議を採択しています。

 チャベス大統領は高い支持率を維持している一方、ダタナリシス社が先月実施した世論調査では七割がRCTV閉鎖に反対と回答しました。


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