2007年5月12日(土)「しんぶん赤旗」

「慰安婦」問題

旧日本軍の強制性 証言

オランダ女性 尋問調書で判明


 【ベルリン=中村美弥子】太平洋戦争中、日本占領下のインドネシアで、旧日本軍がオランダ人女性を組織的、強制的に「慰安婦」にしていたことを示す被害者証言が十日、明らかになりました。官憲が強引に女性を連行するような「狭義の強制性を裏付ける証拠はなかった」とする安倍首相の発言を覆すものです。

 資料は、オランダの軍事法廷で使われた被害女性への尋問調書。ベルリン在住のフリージャーナリスト梶村太一郎氏がオランダで入手しました。

 資料の中には、一九四四年にバリ島スマランからフローレス島に連行され、旧日本軍の慰安所で強制「売春」をさせられた女性たちの証言があります。警察に出頭を求められた若い女性約百人が身体検査を受けさせられ、そのうち十七人が軍の「慰安婦」にされました。慰安所では将校や憲兵の相手をさせられ、週百人に満たないと捕まって殴られたといいます。

 日本占領下のインドネシアでの「慰安婦」問題は知られていましたが、記者会見で資料を発表した梶村氏は「被害者が戦後すぐに宣誓供述した原資料によって詳細が明らかになったのは初めて」と説明。「軍による強制性を裏付けるものだ」と強調しました。



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