2007年5月9日(水)「しんぶん赤旗」

松岡農水相に10年で1億3000万円

所管公益法人の関連団体献金

紙議員調査


 松岡利勝農水相が、農水省所管の公益法人と一体の九つの政治団体から、一九九六年からの十年間で計一億三千万円もの献金を受け取っていたことが、八日の参院農林水産委員会で明らかになりました。同省所管の独立行政法人「緑資源機構」(川崎市)発注の調査業務をめぐる官製談合事件で、新たに疑惑が浮上している「特森懇話会」からの献金も含まれています。日本共産党の紙智子議員が調査したものです。


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(写真)質問する紙智子議員=8日、参院農水委

 特森懇話会は緑資源機構から工事を受注する業者らでつくる任意団体「特定森林地域協議会」(特森協)と一体の政治団体。受注実績に応じて会費を徴収するなど「談合受注システム」の役割が疑われています。松岡農水相は特森懇話会からパーティー券の購入など五百二十万円の献金を受けていました。

 献金を行っていた政治団体は、ほかに「民有林整備懇話会」(全国森林土木建設業協会の専務理事が代表者・会計責任者をつとめ住所も同一)、「林業経営者林政会」(日本林業者経営者協会の評議員が代表者、住所も同一)など、ほとんどが公益法人と事実上一体のものです。

 松岡農水相の資金管理団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」と、松岡農水相が支部長をつとめる「自民党熊本県第三選挙区支部」は、これらから政治献金やパーティー券の購入などで合計約一億三千万円を受けていました(表1参照)。

 紙議員は、このうち三千二百八十万円と最も献金額が多い「全国森林土木建設業政治連盟」が活動趣旨に、「林野公共事業の予算拡大」「政治力の結集」を掲げていることをあげ、「日歯連事件やKSD事件では、公益法人が政治連盟を隠れみのにして献金していたことが大問題になった」と指摘。「(所管大臣として)談合事件を解明すべき立場なのに、献金はいただいて問題ないという大臣の姿勢では、国民は納得いかない」と批判しました。

 紙議員は、これとは別に緑資源機構の談合事件で公正取引委員会の立入検査をうけた疑惑法人とその代表者個人から受けた献金が計八百五十二万円(表2参照)にのぼることを示し、「返却すべきでないか」と追及しました。

 松岡農水相は一億三千万円については、「法に認められた範囲でいただいている」などとしながらも、「個人献金ではあるが身をただす意味で返却した」として、疑惑法人の森公弘済会・塚本隆久理事長、林野弘済会・高橋勲会長の分については四月に返却したことを明らかにしました。

表1
表2

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