2007年5月6日(日)「しんぶん赤旗」

民族主義政党が躍進

スコットランド ウェールズ

右傾化不満層を吸収


 【ロンドン=岡崎衆史】三日投開票の英地方選のうち、スコットランドとウェールズの議会選ではそれぞれの民族党が躍進しました。両党は、スコットランド、ウェールズの独立を掲げる民族主義政党ですが、平和や福祉、格差是正を重視する中道左派政党でもあります。両党は、労働党がブレア首相の下で右傾化し、旧来の支持層が離反する中で、これらを吸収する役割を果たしました。

 スコットランド民族党は、平和問題では、トライデント型潜水艦発射弾道核ミサイル・システムの更新に反対し、核軍縮を主張。イラクからの部隊撤退も求めてきました。また、独立後のスコットランドの欧州連合(EU)加盟と共通通貨ユーロ参加を唱える一方で、軍事同盟の北大西洋条約機構(NATO)からの段階的脱退を掲げてきました。

 内政では、住居の価値に基づいて課税される地方税を廃止し、低所得者に配慮し、所得に基づく「より公正な税」を導入すると訴えてきました。

 ウェールズ民族党は、医療や教育を重視。労働党政権によって、地方の医療が切り捨てられていると批判し、その充実を公約しました。

 一方、イングランドでは、有力な中道左派政党が存在しないため、二大政党の一方の保守党(中道右派)に支持が流れました。しかし、その保守党も、従来の極端な右派路線を軌道修正し、ブレア路線に不満を持つ労働党支持層を取り込む努力をしてきました。

 同党は、四十歳のキャメロン党首の下、ブレア政権の対米従属外交の行き過ぎを批判し、無料の医療制度の維持を掲げてきました。


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