2007年5月5日(土)「しんぶん赤旗」

改悪産業活力再生法

特定大企業に三重、四重減税

サービス業にも対象拡大


 企業のリストラ・再編計画などを減税で支援する産業活力再生法の延長・改悪案が四月二十七日の参院本会議で自民、公明、民主、国民新の各党の賛成多数で可決・成立しました。今回の改悪は、臨時の特別措置法として制定された同法を二〇一六年三月まで延長し、サービス業へも対象を拡大することが柱です。重大なのは、特定大企業のための減税措置が、これまでのものとあわせて三重、四重に盛り込まれていることです。

 減税効果となる措置の一つは、「イノベーションをすすめる」などとして、新たに「世界初の事業革新設備」の認定に対する減価償却への30%の特別償却の上乗せです。

 減価償却制度では、生産設備などの費用を、損金に繰り入れることで毎年の法人税を安くすることができ、償却期間が短いほど毎年の法人税額も小さくできます。

 減価償却制度については、すでに、大企業が恩恵をうけるものとして、それまで95%だった償却可能限度額を100%にすること、IT分野の設備への優遇措置として法定耐用年数をフラットパネルディスプレイ製造設備で十年から五年への短縮、半導体用フォトレジスト製造設備で八年から五年に短縮、フラットパネル用フィルム材料製造設備で十年から五年に短縮しています。初年度の減価償却率は50%になります。

 改悪産活法では、これに加えて、「世界初の事業革新設備」導入などに認定されると、30%の特別償却の上乗せができるようになります。

 このことで税会計上、製造装置を導入した一年目で設備価格の80%もの償却費を利益から控除できることになり、その分、法人税額を圧縮できます。

 これまで産活法で事業革新設備導入計画が、単独で認定されたのは、シャープの二件だけです。

 また、兵庫県では設備投資の3%の補助、三重県では設備投資の5%を補助するなど、自治体の優遇策も助長されています。

 日本共産党の塩川鉄也議員は四月十一日の衆院経済産業委員会で、これらの適用が予想されるのはシャープ、松下などの薄型テレビ製造大企業だけであり、雇用が非正規ばかりの特定大企業の特別扱いは国民の理解を得られないと指摘。「国民には増税、負担増の一方で特定大企業への三重、四重の優遇措置は許されない」と批判しました。

 リストラで減税の恩恵をうけてきた大企業へのさらなる支援をする改悪に賛成した各党の態度が問われます。(吉川方人)


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