2007年4月26日(木)「しんぶん赤旗」

「麻薬」口実の戦争批判

コレア政権が平和解決提案

エクアドル


 【メキシコ市=松島良尚】米国の軍事援助を受けているコロンビアの包括的麻薬対策コロンビアプランがエクアドルの国境地域に重大な影響をもたらしている中、同国のコレア大統領は二十四日、「戦争に平和を対置する」ための「エクアドルプラン」を発表しました。


米のコロンビア軍事援助に対置

 コロンビアプランのおもなねらいは、米国が「麻薬テロリスト」と位置づける反政府武装集団の撲滅にあるといわれます。米国は二〇〇〇年以来、約四十億ドル(約四千七百二十億円)を投入。米軍人や民間軍事顧問がコロンビア軍の訓練にあたり、米民間企業もコカ葉栽培地への除草剤空中散布などを請け負っています。紛争激化で国内避難民が増えています。

 ブッシュ米政権はコロンビアプランの成果を高く評価していますが、コロンビア国内や欧州諸国には、成果を疑問視し、同プランが軍事面に偏向しているとする見方があります。最近では、コロンビアのウリベ政権も、同プランを経済面にシフトさせていくつもりだといわれています。

 一方、除草剤散布はエクアドル側の農地にも被害を与えています。また、武装集団がエクアドルにたびたび侵入するほか、これまでに二万人以上のコロンビア国民がエクアドル北部に流入、避難し、地域住民の生活に重大な影響を及ぼしています。

 エクアドルプランのおもな目的は、「人間を中心において、平和と発展、全面的な安全のプロセスの推進」とされ、国境地域の社会政策や生産活動などを援助するためのものです。とりあえず一億三千五百万ドルの予算をあて、国際社会の支援によって倍加をめざします。

 コレア大統領は、「エクアドルは戦争を紛争解決の手段にしたことがない。このプランでわれわれの現在と未来のビジョンを示す」と強調し、事実上、コロンビアプランを非難。また、「コロンビアの避難民も保護する」と述べ、「資本の自由な移動や自由貿易には関心をもっても人々を社会的に最悪の場に追いやる新自由主義」を改めて批判しました。

 コロンビアプランを情報面で支えているのはエクアドル西部にあるマンタの米軍基地です。コレア大統領は、〇九年に切れる基地貸与協定を更新しないと公約しています。

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