2007年4月26日(木)「しんぶん赤旗」

主張

能登震災1カ月

被災者に心通わせてこそ


 震度6強の激しい地震に見舞われた、能登半島地震から一カ月たちました。いまなお避難所暮らしを続ける三百人近い人びと、住みなれた家や農地、作業所を破壊され、将来の見通しが立たない高齢者。被災した住民にとってこの一カ月は、どんなにか長く感じられたことでしょう。

 この連休からはようやく仮設住宅への入居も始まります。住宅や農地、輪島塗など地場産業の再建はこれからです。被災者へ心を通わせ続け、被災地の復興に手を差し伸べ続けることが必要です。

希望の春に被災地は

 この一カ月間、地震直後と二週間後と、二回被災地をたずねました。例年なら、能登半島にも遅い春が訪れ、田植えの準備も始まるこの時期は、実りの秋と並んで、一年中でもっとも希望にあふれる季節です。が、今年はまったく違っていました。

 被害のもっとも大きかった輪島市門前町地区や隣の穴水町は中心部の商店街が倒壊し、大きな被害を受けています。一カ月たった今、瓦礫(がれき)の処理は進んだが、むしろ大きく開いた空間が被害の大きさを浮き彫りにしていると、現地で取材する記者が伝えてきました。

 能登半島は山地が海に迫り、農地は険しい棚田が大部分です。例年なら五月の連休ごろに迎える田植えを前に、代かき作業が真っ盛りのはずですが、今年は地震でひび割れし、手の着けようのない棚田もあります。先祖代々農地を守り、営々とコメ作りを続けてきた農家にとって、生きるすべを奪われた状態です。

 門前町南部から隣の志賀町にかけての海岸では海底が隆起し、特産の岩海苔(のり)の岩場がむき出しになっています。地震は海に生きる人びとにも大きな被害を及ぼしています。

 高齢者が多く、年金以外現金収入の道も乏しい被災者にとって、瓦礫を処理し、割れたガラスや壁などを修理するだけでも大変な負担です。災害救助法や被災者生活支援法に基づく公的支援も、手続きに手間がかかるうえ、もともと一部損壊などの被害者には適用されません。被災者の要望にこたえたボランティアの派遣、寄せられた義援金の迅速・公平な分配、支援制度の活用を簡便なものにするなど、被災者の立場に立った手厚い支援が求められます。

 同時に、被災者の生活再建に不可欠なのは、恒久的な住宅建設や農地、地場産業などの復興に、政府と自治体が責任を持って見通しを示すことです。門前町地区で避難所暮らしを続ける七十五世帯のうち、「地区に住み続けたい」と考えているのは七十三世帯なのに、全半壊した自宅の再建費用に「めどが立っている」というのはわずか十世帯にすぎないという調査もあります(「読売」二十二日付)。住み続ける意思がある住民が住み続けることができるようにするのは政治の責任です。何より政府と自治体は今後の見通しを示し、被災者の不安を解消することが求められます。

一刻を争って支援強化を

 この間被災地では、県議選と市町議選の二つの地方選挙がおこなわれ、合併後初の輪島市議選では輪島市区で日本共産党市議が再選、定数が大幅に減った旧門前町区では元門前町議の前市議が当選は逃したものの最下位に五票差まで肉薄しました。被災者支援を訴える日本共産党への期待の大きさを示すものです。

 被災者支援は時間との勝負です。時間がたつとともに、困難は深まります。被災者が復興への希望を失うことがないよう、国や自治体は支援を強めるべきです。



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