2007年4月19日(木)「しんぶん赤旗」

「銃社会」に疑問の声


 【ワシントン=山崎伸治】バージニア工科大学構内での銃乱射事件について、十七日付の米主要紙は、銃による重大犯罪が後を絶たないことなどをめぐり、さまざまな主張を展開しています。

 ワシントン・ポストは社説で「いったいどういう状況で、どこで、容疑者は銃を手に入れたのか」「なぜ銃の所有者は、米国の学校で死をもたらす凶悪行為を行おうとするのか」といった疑問を投げかけました。ニューヨーク・タイムズの社説は「米国民が直面する最も深刻な危険が、ぞっとするぐらい簡単に手に入る銃で武装した国内の殺人者によるもの」であることを示したと指摘しました。

 八年前、二人の高校生が学校で十二人の生徒と一人の教師を銃で殺害し、自殺したコロンバイン高校事件のあったコロラド州の地元紙デンバー・ポストの社説は、「なぜ。いったいだれが。どうしてこんなことが。だれも止められなかったのか」と八年前も同じ疑問が起きたと指摘。「われわれは銃が簡単に手に入る文化を容認している」「毎夜テレビのゴールデンタイムに流されるフィクションの暴力に鈍感になっていた。一日中、戦争と殺りくの映像が流され、混乱に拍車をかけた」と論じています。

 ロサンゼルス・タイムズは、刑事裁判が専門のジェームズ・アラン・フォックス教授(マサチューセッツ州ノースイースタン大学)の見方を紹介。八件の銃乱射事件のうち七件が過去二十五年間に起きており、その背景として「米国が近年、ますます私利私欲にかられ、ますます競争が激しくなっている」ことをあげています。「どんな犠牲を払ってでも成功する者を持ち上げ、失敗した者に対する思いやりを失っているようだ。このことが敗者の側の不満を募らせている」と分析しています。

 フィラデルフィア・インクアイアラーはインターネットのホームページで、「厳しい銃規制法はこの種の殺りくを防ぐことができるか」という投票を実施。約五千人が投票し、「できる」が約45%、「できない」が36%との結果となっています。


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