2007年4月17日(火)「しんぶん赤旗」

エクアドル改革へ前進

憲法制定議会設置が賛成多数

大統領 「新自由主義乗り越える」


 【メキシコ市=松島良尚】南米エクアドルで十五日、新自由主義政策からの転換や資源主権の確立を改革の第一段階と位置付ける制憲議会設置の是非を問う国民投票が実施されました。民間調査機関の出口調査によれば、賛成が78・1%、反対11・5%、残りが白票・無効票で、承認が確実となりました。コレア大統領は同日、「未来を選択した国民の圧倒的勝利だ」と宣言しました。


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 コレア大統領は記者会見で、「この国は決定的に変わった。いつものように変革への恐怖をあおって制憲議会設置に反対した右派の戦術が失敗したからだ。国民はだまされない」と強調。民営化の公認などを盛り込んでいる現行憲法は新自由主義を法制化したものだと述べ、「このモデルを乗り越える新憲法づくりへの国民の参加」を呼びかけました。

 同大統領はまた、同国に新自由主義政策を強要してきた国際通貨基金(IMF)に対する四千万ドル(約四十七億円)の債務を繰り上げ完済したことを発表しました。

 制憲議会の設置はコレア大統領の最大の公約でした。新憲法には、資源主権の確立や地方自治体の再編成、国家機構の非政治化などが盛り込まれるといわれ、国民の提案も公募しています。

 国民の多くに寡頭勢力の代表とみなされている右派勢力は主要メディアを通じて「反対」のキャンペーンを展開。しかし、国民は、豊かな天然資源が国民生活に生かされず、貧困と格差が広がる現状に対し、変革の意思を明確に示しました。

 国民投票の公式結果が確定するまでには数日かかる見通し。公式結果の発表後、八日以内に制憲議会選挙が公示され、九十日以上、百五十日以内に実施されます。制憲議会の定数は百三十。同議会設立後、原則として百八十日以内に新憲法草案が作成され、国民投票に付される予定です。


 エクアドル 面積二十八万平方キロ(本州と北海道の合計を少し下回る)、人口は千三百二十万人。先住民と白人の混血が60%、ケチュアなど先住民が30%。一人当たりの国民総所得は二千六百三十ドル。コレア氏は昨年十一月の大統領決選投票で勝利し、大統領に就任しました。


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