2007年4月8日(日)「しんぶん赤旗」

全国一斉学力テスト

プライバシー保護を妨害

文科省、急きょ資料提出要求


 二十四日実施予定の全国一斉学力テストについて、プライバシー保護のため子どもに氏名を記入させない「番号方式」で実施をしようとする市区町村教育委員会が相次いでいます。これに対し文部科学省が「(番号方式で実施するための)条件に合致しているか確認する必要がある」として急きょ説明会を設定し、資料提出を求めていることが七日、明らかになりました。

 すでに「番号方式」を決めた市町教委に対し、県教委が「条件に合っていない」として認めない例も出ており、「学力テストの押しつけが混乱をもたらしている。中止すべきだ」との声があがっています。

 学力テストについては、氏名を記入させて家庭環境についてまで答えさせる調査もおこない、結果を民間企業に集計させることに批判が強まっていました。

 これに対し文科省は三月二十九日、「特別の事情がある」ことを条件に、市区町村教委の判断で氏名に代わる個人番号を記入させる方式をとることを「例外措置」として認めるとの事務連絡を出しました。

 「特別の事情」としては「当該市町村の個人情報保護審議会等から氏名を書かせることに支障がある旨の指摘がある、あるいは、すでに実施している学力調査等で氏名の代わりに個人番号を使用しているなど」としていました。

 この事務連絡を受けて、「番号方式」での実施を決める市区町村教委が相次ぎました。

 しかし文科省は五日になって、「番号方式」で実施しようとしている教委は十日に開催する説明会に出席し、「条件に該当していることを示す資料」を提出するよう都道府県教委に伝えました。

 同省は「条件に合致しない場合は例外措置をとれないので資料での確認は当然」とし、「『個人情報審議会等』の『等』には議会での質問や団体からの要請」は含まれないとしています。

 このため高知県では議会での指摘などを理由に「番号方式」での実施を決めた二市町教委の申請を、県教委が条件に合致していないとして認めませんでした。

 この問題で「子どもと教育を守る高知県連絡会」は六日、県教育長と交渉し「審議会のない市町村はどうするのか」とただしました。教育長は「確かにハードルは高く、もう少し条件の緩和をしてもかまわないと思う」と答えました。


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